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クロスマーケットアイ

〔クロスマーケット〕「安倍トレード」逆回転せず、自民大敗で政策停滞に懸念も

東京都議選の自民党大敗を金融市場は冷静に受け止め ており、株買い・円売りのいわゆる「安倍トレード」の巻き戻しは起きていない。国政へ の影響は避けられないにしても、現在の政治的枠組みがすぐに変わるとはみられていない ためだ。しかし、安倍晋三首相の求心力低下は否めず、長期的視点に立った政策を打ち出 しにくくなるとの懸念も強まっている。 <海外勢、動かず> 都議選の自民党大敗で、市場の一番の関心は、海外勢がどう動くかという点だった。 長期政権を敷く安倍政権は、海外勢の日本株投資の大前提とされる。地方選とはいえ、歴 史的な惨敗で国政への影響も懸念されるなか、海外勢による日本株売り・円買いが強まる のではないかとの警戒感は強かった。 しかし、今のところ「海外勢からの日本株売りは特段みられない」

〔クロスマーケット〕「開局良好」な中国景気、日本株の追い風に 年後半に警戒も

日本株が切り返してきた。仏大統領選の第1回投票で波乱がなく、政 治リスクが後退したこともあるが、堅調な景気も追い風となっている。原動力の1つが旺盛な中国需要。同 国向けの輸出や生産が、今年の第1・四半期の日本景気を後押ししている。ただ、やや速めのペースであり 、今秋の共産党大会後の景気減速には警戒感もある。 <「政治の年」に中国経済が好スタート> 中国国家統計局は、同国の1─3月期国内総生産(GDP)を17日に発表した際、「開局良好」(良 好なスタート)というタイトルを付けた。伸び率は市場予想の6.8%を上回る6.9%。中国政府は17 年の成長率目標を6.5%前後に置いており、巡航スピードを上回る景気拡大となった。 原動力は政府による財政刺激策とみられている。6.9%成長に対する寄与度は、

〔クロスマーケット〕海外勢が日本株で益出し、安倍退陣のスーパーテールリスク警戒も

海外勢の日本株売りが加速している。「トランプラ リー」における買い越し額の約半分を売却した。ドル建て日経平均が17年ぶりの高値水 準にあるなど、リスクオフ局面で益出ししやすいのが主因だ。だが、森友学園問題など国 内の政治不安定化を背景に、安倍晋三首相の退陣を「スーパーテールリスク」として織り 込み始めたとの指摘も出ている。 <円高と日銀が支えるドル建て日本株> 海外投資家は、昨年11月の米大統領選後、12月末までに日本株を現物と先物を合 わせて約3.9兆円買い越した。だが、今年に入り方向転換。年初からの累計売り越し額 は約2兆円に達している。特に直近の3月第4週は、9533億円と1年ぶりの大きさに なった(以下の表参照)。 オバマケア代替法案を巡り、トランプ米大統領の政治手腕への不安が台頭

〔クロスマーケット〕日米株のデカップリング、米利上げ時の「期待と実績」

米利上げが迫るなか、日米株のデカップリング(逆 連動)に期待感が出ている。米金利上昇によって米株が崩れても、ドル高/円安が日本株 を支えるとの見方だ。しかし、過去2回の米利上げ時における日本株のパフォーマンスは 、米株よりも悪い。日米金利差よりもリスクオフ材料に反応し円高が進んだためであり、 単純な逆相関期待によるトレードには危険が伴う。 <逆行高の日本株>    市場予想の19万人増に対し、結果は29.8万人増。8日の2月ADP民間部門雇 用者数は驚きの強さだった。すでに9割近く織り込まれた3月の米利上げ観測がさらに強 まることはなかったが、米長期金利は上昇。市場では「2月米雇用統計がA DPのように強ければ、今年4回の利上げも視界に入る」(国内投信)との声も出た。 金利上昇は株価にとって

〔クロスマーケット〕日本株に慎重な米国投資家、語られなくなった「ストーリー」

米国投資家の日本株買いが鈍い。ホームの米株が絶 好調でリスク許容度は上がっているはずだが、欧州の投資家などと比較しても、その慎重 さが目立つ。米株市場の規模が圧倒的で世界の株価も連動しやすいため、米国の投資家は 分散投資のニーズが低いとされる。トランプ政策への不安感だけでなく、アベノミクスへ の期待感が薄れ、日本独自のストーリーを欠いていることが慎重な投資姿勢につながって いるようだ。 <米国勢と欧州勢の違い> 欧州の投資家と比較すると、米国勢の日本株に対する慎重さがよくわかる。 トランプラリーが始まった昨年11月。日本取引所のデータによると、欧州勢は日本 株を約1.3兆円買い越したが、北米勢(ほぼ米国と推測される)の買い越し額は336 億円どまりだった。今年1月までの3カ月間では、約2.

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