June 30, 2017 / 7:52 AM / 7 months ago

〔焦点〕加速しない物価と好調な景気、日銀は次回会合で分析へ

[東京 30日 ロイター] - 5月消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)が前年比0.4%上昇と4月からプラス幅を拡大したものの、加速感は全くみられない。一方、実体経済は着実に拡大しつつあるとの認識を日銀は深めており、加速しない物価と拡大する景気という現象が、どうして起きているのか、7月の金融政策決定会合に向け、分析を続けて行くとみられる。   

<6月東京のコアコア、マイナスに転落>      5月のコアCPIは、4月の0.3からプラス幅が小幅に拡大。電気料金などエネルギー価格上昇による波及効果が大きかった。

日銀が重視する生鮮・エネルギーを除く指数は、4月に続き前年比横ばい。6月の東京都区部は、生鮮・エネルギーを除く指数が前年比0.2%のマイナスに転じ、物価上昇の基調が鮮明化しているとは言えない状況だ。      日銀は、大規模な金融緩和の効果によって、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差である需給ギャップが改善。インフレ期待も高まり、物価が目標の2%に向かうとのシナリオを描いている。

<物価抑制要因に4つのルート>

しかし、足元では雇用情勢がひっ迫しているにもかかわらず、物価上昇力は鈍いまま。背景として日銀は、1)携帯電話の値下げ、2)人手不足が賃上げよりも省力化投資などに向かい、短期的に物価上昇を抑制している、3)円安傾向にもかかわらず輸入財である家電製品の価格が上がりにくい、4)高齢化の進行を背景に消費が力強さを欠いている━━と分析。

企業収益は、過去最高水準を記録しながら、デフレ・マインドが根強い中で「企業が価格引き上げに動きにくい状況がある」との見方が、日銀内で広がっている。      2%の物価目標の早期達成を掲げる日銀の現時点でのコアCPI見通しは、2017年度が前年比1.4%上昇、18年度が同1.7%上昇。

民間エコノミストの中央値(日本経済研究センター公表のESPフォーキャスト)は17年度0.75%、18年度0.91%と、日銀見通しとのギャップが大きい。      17年度は、前年比べて上昇しているエネルギー価格が年度前半に物価を押し上げ、各種財の物価にも波及するというのが日銀シナリオだった。

だが、足元の物価動向は日銀の想定よりも弱めで推移しているとみられる。

<好調さ維持する実体経済>      一方、好調な世界経済を背景に、景気自体は見通し通りに拡大しているとの見方が大勢で、一部には「死角なき景気回復」と全方位で需要が着実に増加しているとの声もある。

現時点で日銀は、需給ギャップを中心とした「2%の物価安定の目標に向けたモメンタムはしっかりと維持されている」(黒田東彦総裁)と判断している。

ただ、順調に回復する実体経済の下で、どうして物価の足取りが重いのか、7月19、20日の次回の金融政策決定会合で、議論が展開される可能性がある。その動向によっては、展望リポートで示される物価や国内総生産(GDP)の見通しにも影響を与えそうだ。    (竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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