[東京 22日 ロイター] - 日本証券業協会が22日発表した10月公社債店頭 売買高(国債)によると、都銀や地方金融機関など国内勢の買い越しが継続した。生損保 も引き続き高水準の超長期債を買い越している。一方、外国人投資家が最大の売り越し主 体となった。 「国内勢は下期入りしたほか、自民党総裁選など国内政治イベントを通過。海外金利 の影響で円債金利も上昇しており、押し目買いを入れやすくなったのではないか」と、野 村証券のチーフ金利ストラテジスト、中島武信氏は分析する。 都銀はトータルで1兆8172億円の買い越し。9月の2兆2326億円に続きハイ ペースの買い越しが続いている。今月は長期債を1兆1529億円、中期債を5963億 円買い越した。 生損保の高水準な超長期債買い越しも継続。10月は7570億円買い越しと、8月 の6621億円、9月の7978億円に続き、20年度の平均買い越し額6344億円を 上回った。 地方金融機関(地銀、第2地銀、信用金庫)もトータルで1兆2515億円の買い越 しと高水準だった。3業態合計で、超長期債を3451億円、長期債を7013億円、中 期債を2051億円、それぞれ買い越した。 信託銀行はトータルで5443億円の買い越し。超長期債を2545億円、長期債を 2086億円、中期債を812億円買い越した。 一方、大きく売り越したのは外国人投資家。トータルで8833億円と今年2月(5 076億円)以来の売り越しとなった。長期債を8330億円、超長期債を1141億円 売り越した。中期債は638億円の買い越し。 「インフレ懸念や早期利上げ警戒が継続する中、海外勢はグローバルで債券投資を抑 えた可能性がある」(中島氏)という。 10月の円債市場は金利上昇が継続。新発10年債利回り(長期金利)は一時0.1 05%と節目を上回った。世界的なインフレ懸念が強まる中、米長期金利が上昇。国内で も衆院選が近づく中、経済対策大規模化による国債増発懸念が金利上昇要因となった。 ◎国債投資家別売買高(国庫短期証券を除く。億円)は以下の通り。 利付国債買越 超長期債買越 長期債買越 中期債買越額 額 額 額 都市銀行 18172 680 11529 5963 地方銀行 5770 637 4832 301 信託銀行 5443 2545 2086 812 農林系金融機関 2975 2984 ▲ 10 1 第二地銀協加盟 1132 371 761 0 行 信用金庫 5613 2443 1420 1750 その他金融機関 3262 1411 1118 733 生保・損保 7775 7570 7 198 投資信託 125 ▲ 60 628 ▲ 443 官公庁共済組合 78 78 0 0 事業法人 376 164 212 0 その他法人 ▲ 351 135 ▲ 486 0 外国人 ▲ 8833 ▲ 1141 ▲ 8330 638 個人 ▲ 11 2 ▲ 12 ▲ 1 その他 ▲ 41034 ▲ 19342 ▲ 4233 ▲ 17459 債券ディーラー ▲ 141 49 212 ▲ 402 合 計 351 ▲ 1474 9734 ▲ 7909 (伊賀大記)
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」