July 2, 2019 / 3:33 AM / in 3 months

〔GRAPHIC〕世界金融市場、上半期は過去最高の上昇

[ロンドン 28日 ロイター] - 今年上半期の世界の金融市場は、同期として過去最高のパフォーマンスを記録した。世界の株式市場は8兆ドル急伸し、債券も買われ、原油価格はおよそ25%上昇した。あるギリシャの銀行が世界で最も上昇した株の1つとなったことも目を引いた。

米中貿易戦争やリセッション(景気後退)懸念を背景に2018年末と2019年初頭には相場が深刻な低迷をみせていたことを考えると、想像もできないような展開となった。

世界の株式市場が8兆ドルも上昇したのは、MSCIの世界株指数が15%近く上昇した結果。これは、約40年の歴史上、上半期の成績としてはドットコムブームが起きた1997年に匹敵する水準だ。米国株は18%、欧州は13%、中国株は20%上昇した。

原油価格は、第1・四半期としては2009年以来の大幅な上昇を記録し、上半期全体では約25%上昇した。原油高を受けてロシアのルーブルは通貨の上昇率ランキングでトップとなった。工業用金属は第2・四半期は低迷したが、安全資産の金は6年ぶりの高値に上昇した。

スイスの資産運用会社ピクテのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は「非常に素晴らしい。すべてのセクター、すべての市場、すべての資産クラスがプラス圏となり、これは異例のことだ」と語った。

ほぼ全面安だった18年の真逆になったということだろうか。おそらくそうだろう。しかし、今年の相場高には2つの重要な要因がある。

1つ目は、中国が金融・財政刺激に真剣さを示していることだ。2つ目はもちろん、米連邦準備理事会(FRB)が方向を転換して、突如として金融危機以降で初の利下げに傾きつつあるようにみえることだ。

米利下げ観測を背景に債券価格はロケットのように上昇した。米債は今年7%上昇、利回りは約70ベーシスポイント(bp)低下した。米債利回りは2018年第4・四半期に37bp低下、その前の5四半期は一貫して上昇していた。

欧州中央銀行(ECB)も方向転換したことから、ドイツ連邦債は約5.5%上昇し、上期としては2年ぶりの大幅上昇を記録した。10年債利回りは3月、2016年以降で初めてゼロを下回り、その後過去最低を更新した。

<ギリシャの銀行株が急騰>

意外だったのは、わずか数年前にはユーロ圏債務危機から大打撃を受けていたギリシャの銀行株が今年、世界で最も上昇した株の一角を占めたことだ。

ギリシャの最大手銀行のピレウス・バンクは250%、アッティカ・バンクは343%それぞれ上昇した。ギリシャの株式市場は今年、欧州の取引所で上昇率が最大だった。ただいずれも、5月の新規株式公開(IPO)以来550%上昇した人工肉製造・開発のビヨンド・ミートにはかなわなかった。

2018年には値崩れしたビットコインが220%上昇するなど、暗号資産も人気が回復。欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る混乱やメイ首相の辞任決定にもかかわらず、英国債は4.5%上昇した。

よりリスクの高いハイイールド債や、自国通貨建ての新興市場債、社債も8─9%上昇した。

HSBCアセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、ジョセフ・リトル氏は「これほどの幅の強さというのは非常に珍しい」と指摘。「問題は、(相場高が)速過ぎなのではないか、大き過ぎなのではないか、という点だ」と話した。

FRBの方向転換を背景に、ドル指数は四半期ベースで1年超ぶりのマイナスに陥る可能性が高くなっているが、逆に円は2.5%超上昇。2015年以降で最も弱い第1・四半期を経験したユーロもプラス圏に浮上した。

原油高を受けてカナダドルは4%上昇し、ノルウェークローネは1.5%上昇した。

例によって新興国通貨は振れが大きかった。18年に売り込まれたアルゼンチンペソとトルコリラは、今年も引き続き軟調だった。ただ、弱さが目立ったのは、政治・経済を巡る懸念が強まった年初頭が中心だった。

一方、上昇率が大きかったのはルーブル(10.5%高)、エジプトポンド(7.2%高)、タイバーツ(5.2%高)。メキシコペソは、移民問題を巡るトランプ米大統領との対立を背景に、2%高にとどまった。

<FANGも軒並み好調>

米国株はS&P総合500種指数とナスダックが過去最高値を更新。最高値更新に寄与したのはFANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル)だった。

フェイブスックは44%、アマゾンは27%、ネットフリックスは38%超それぞれ上昇した。

ファーウェイを巡る中国との緊張の高まりにもかかわらず、ハイテクセクターはS&P500で上昇率がトップとなり、マイクロソフトとシスコはともに30%超上昇し、ダウ工業株30種指数で上昇率が首位だった。

一方、中国のハイテクセクターは年初来で28%高となり、第1・四半期末時点での年初来46%高から押し戻された。

LGTバンク・アジアのステファン・ホーファー最高投資責任者(CIO)は「次の数週間で下半期のトーンが決まる。通商協議が進展すれば、リスク資産にとって非常にポジティブ」とした上で「世界金融危機以降で最も重要な(時期)だ」との認識を示した。

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