(配信時間に応じて内容を更新します。) [8日 ロイター] - 中国株式市場は反発して取引を終えた。力強い輸出統計で景 気懸念が和らぐ中、観光株と新エネルギー株がけん引した。 中国税関総署が7日発表した10月の貿易統計は、輸出(ドル建て)の伸びが前年同 月比27.1%と前月から縮小したものの、市場予想を上回った。年末商戦に向けた世界 的な需要の高まりや電力不足の緩和、供給網混乱の改善などが寄与した。 上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト 、張智威氏は「輸出が景気減速を緩和するバッファーとなっているが、トレンドの反転は ないだろう。第4・四半期も景気減速が続くとの見方を変えていない」と述べた。 観光株は約5%上昇。米製薬大手ファイザーは5日、開発中の 新型コロナウイルス感染症を治療する飲み薬について、入院と死亡のリスクが89%低下 したとの臨床試験(治験)結果を発表した。 アナリストは、コロナ治療薬の開発などを受けて、中国政府が「感染ゼロ」戦略の打 ち切りを検討する可能性があると指摘。観光産業の拡大につながるとの見方が出ている。 新エネルギー株指数、新エネルギー車株指数、環境ガバナ ンス株指数は3.2─4.2%高。 中国国務院(内閣に相当)は7日、環境保護には「なお長い道のりがある」と表明。 習近平国家主席が掲げる2030年の二酸化炭素排出のピークアウト、60年までの排出 量実質ゼロ化を達成するのは厳しいと述べた。 過去2週間で15%超値を下げている不動産デベロッパー株は1.8% 高。 中国の銀行が一部都市で住宅ローンの実行を加速している。資金に窮していた開発業 者は販売が完遂できるとして胸をなでおろしているが、新規ローンは急増しているわけで はない。中国政府が不動産セクターの債務圧縮を強く進めてきており、与信拡大にはなお 慎重な空気が強いためだ。 香港株式市場は続落。大手ハイテク株とヘルスケア株が売られた。ファイザーのコロ ナ治療薬に関する発表を受け、新型コロナワクチン関連の銘柄が値を下げた。 ヘルスケア株指数は3%安。ファイザーの発表を受け、中国のコロナワクチ ンメーカーであるカンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)が17%以上急落 した。 ハンセンテック指数は1.3%安。構成銘柄のアリババ・グループ<9988.H K>と美団が、それぞれ1.6%、2%下落した。 娯楽関連株は5.7%高。カジノ大手のサンズ・チャイナ(金沙島中国 )が7.7%上昇した。マカオのカジノ客が緩やかに増えていることが背景。 シティは、中国で最近、新型コロナが再流行しているが、これまでのところ、感染の 大半は中国北部で起きているため、マカオの総娯楽収入に重大な影響はないとの見方を示 した。 火鍋料理チェーンの海底撈国際は4.8%高。同社は、一部の店舗を閉鎖 し、急激な拡大路線にブレーキをかける計画。 金融株指数は0.9%高。エネルギー株指数は1.6%高。 ソウル株式市場は続落し、約1カ月ぶりの安値で終えた。バイオ医薬品銘柄の下落が 背景。投資家は今週発表される米国と中国のインフレ統計を控え、慎重姿勢を続けている 。 下落をけん引したのは、バイオ医薬品企業。サムスンバイオロジクスが 4.75%安、SKバイオサイエンスが14.20%安、セルトリオン<0682 70.KS>が5.74%安。米医薬品大手ファイザーが、開発中の新型コロナウイル ス経口治療薬に関する臨床試験(治験)で、好調な結果を示したことが響いた。 医療用品株指数も5.66%下げた。 主要銘柄のうち、半導体大手のサムスン電子は0.57%、同業SKハ イニックスは0.47%、それぞれ上昇し、下値を抑えた。 外国人投資家は1243億ウォン(1億0517万ドル)相当の売り越し。 ケープ投資証券のアナリストは「バイオ医薬品銘柄の急落でKOSPIは下落したも のの、持ち直した」と述べた。さらに「米国債利回りが急落する中、米インフレ統計発表 後のトレーダーの動きが警戒されるだろう」と付け加えた。 シドニー株式市場は反落。ヘルスケアとIT株の下落が鉱業株の上昇を上回った。B HPグループが、三井物産との原料炭合弁会社BHP三井コール(BM C)の権益80%を豪スタンモア・リソーシズに最大13億5000万ドルで売 却する契約に署名したと発表したことが好感され、鉱業株が買われた。 S&P/ASX200指数は4日ぶりの反落となった。 先週、5営業日連続で上昇したヘルスケア株指数は1.24%安。S&P/ASX2 00とヘルスケア両株指数の下落率トップは、医療機器メーカーのポリノボとク リヌベル・ファーマシューティカルズ。 ディープ・データ・アナリティクスのメーサン・ソマサンダラム最高経営責任者(C EO)は「成長株であるハイテクとヘルスケア銘柄に幾分か売りが出ている」と指摘。「 利上げとテーパリング(量的緩和の縮小)をめぐる動きが要因だ。リスクオフ市場では、 高成長の株に最も圧力がかかる傾向にある」と述べた。 IT株指数も1.72%下げた。サービス型ソフトウエアのゼロが 4.86%安、主力銘柄である後払いサービスのアフターペイは0.64%安。 主力の鉱業株指数でスタンモアに売却すると発表したことが支援材料となっ た。スタンモアは鉱業株指数の構成銘柄ではないが、14.01%と高騰し、取 引時間中の上昇率としては2016年以来の大きさを記録した。 終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード 中国 上海総合指数 3498.6308 + 7.0631 + 0.20 3491.9709 3507.2744 3484.2399 前営業日終値 3491.5677 中国 CSI300指 4848.180 +5.834 +0.12 4841.153 4866.082 4827.689 数 前営業日終値 4842.346 香港 ハンセン指数 24763.77 -106.74 -0.43 24743.54 24837.77 24633.57 前営業日終値 24870.51 香港 ハンセン中国株 8793.73 -27.10 -0.31 8781.23 8816.98 8741.00 指数 前営業日終値 8820.83 韓国 総合株価指数 2960.20 -9.07 -0.31 2965.36 2968.18 2930.90 前営業日終値 2969.27 台湾 加権指数 17415.30 +118.40 +0.68 17323.39 17415.30 17279.46 前営業日終値 17296.90 豪 S&P/ASX 7452.20 -4.70 -0.06 7456.90 7474.30 7433.40 指数 前営業日終値 7456.90 シンガポー ST指数 3263.90 +21.56 +0.66 3251.85 3270.65 3250.39 ル 前営業日終値 3242.34 マレーシア 総合株価指数 1535.41 +3.68 +0.24 1534.21 1538.12 1531.42 前営業日終値 1531.73 インドネシ 総合株価指数 6632.297 +50.512 +0.77 6599.405 6637.011 6592.06 ア 前営業日終値 6581.785 フィリピン 総合株価指数 7396.22 +55.45 +0.76 7374.42 7424.94 7373.53 前営業日終値 7340.77 ベトナム VN指数 1467.57 +11.06 +0.76 1456.51 1470.49 1456.51 前営業日終値 1456.51 タイ SET指数 1626.13 -0.09 -0.01 1631.34 1635.62 1621.35 前営業日終値 1626.22 インド SENSEX指 60545.61 +477.99 +0.80 60385.76 60609.16 59779.19 数 前営業日終値 60067.62 インド NSE指数 18068.55 +151.75 +0.85 18040.20 18087.80 17836.10 前営業日終値 17916.80 (リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)
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