[2日 ロイター] - アジア新興国通貨市場ではタイバーツが13カ月ぶりの安値を更新した。インドネシアルピアも2カ月超ぶりの安値で推移。国内の新型コロナウイルス感染者拡大やドル高に圧迫された。
ドルは対円で15カ月超ぶり高値。堅調な米雇用統計が見込まれている。
バーツは一時0.3%安。タイでは新型コロナによる死者が3日連続で過去最多となった。
今年に入ってからバーツはアジアで最もパフォーマンスの悪い通貨の一つとなっている。6月末以降は1年強ぶりの安値で推移している。
ANZバンキング・グループ(シンガポール)のアジア調査担当責任者、クーン・ゴー氏は「タイにおける制限強化は引き続き向かい風となっており、外国人投資家がタイ資産を売っている」と述べた。
ルピアは一時0.5%安と、4月16日以来の安値を付けた。
インドネシア統計局が1日発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比1.33%と、2020年8月以来10カ月ぶりの低い伸びとなった。新型コロナウイルス感染者数が急増する中、規制措置が強化されたことが背景。
ゴー氏は「過去最多の新型コロナ感染者と制限措置の実行により経済活動は打撃を受ける見込みで、ルピアにとってはさらなる逆風となる。短期的に外国人投資家が資金を引き揚げる可能性がある」と述べた。
その他のアジア新興国通貨は大部分が軟調。ただ、フィリピンペソは前日付けた約11カ月ぶり安値から上昇した。
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