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インタビュー:中国鋼材市況、年内は高水準 懸念は米通商措置=新日鉄住金副社長
2017年8月9日 / 17:03 / 2ヶ月前

インタビュー:中国鋼材市況、年内は高水準 懸念は米通商措置=新日鉄住金副社長

[東京 10日 ロイター] - 新日鉄住金の栄敏治副社長はロイターとのインタビューで、4年ぶりの高値水準にある中国の鋼材市況について、年内は高水準を維持するとの見方を示した。ただ、米国が鉄鋼輸入に関する制限措置を行えば、行き場を失った鋼材がアジアに流入、アジアの市況が崩れる要因になることを最大の懸念材料として挙げた。

インタビューは7日に行った。

中国の市況について、栄副社長は「ほとんどの中国の鉄鋼メーカーが黒字をキープしており、今の鋼材価格と原料価格は、非常に居心地の良い(comfortable)レンジだと思う」と述べた。

上海先物取引所の鉄筋先物は、1トン当たり4000元前後(約6万5000円)になっており、4年ぶりの高値水準にある。秋の共産党大会に向けて財政出動が拡大、公共工事の増加で景気が底上げされているという。栄副社長は「共産党大会が終わってすぐに工事がなくなるわけではない」とし、年内は一定程度の高い水準の国内消費が続くとの見方を示した。

同社は、国内において1トン当たり5000円の鋼材の値上げを実施すべく取引先と交渉を行っているが、「交渉の環境としては良いと思っている。海外を含めて市況は上がっているし、国内需要も結構強い。鋼材需給がタイトだという前提で上げ幅を議論する」と述べた。

中国が輸出する鋼材がアジアの市況を決め、アジアの市況が日本の鋼材価格にも影響を及ぼすことになる。このため、足元の中国の鋼材価格上昇の後を展望すると、「中国からアジアへの鋼材輸出価格が上がり、それがアジアの市況を押し上げ、ひいては日本の国内市況も押し上げる。これが理想のパターン」と述べた。

ただ、こうした循環に対して「水を掛けるのが米国の通商措置だ」とし、米国の鉄鋼輸入に関する制限措置の行方を最大の懸念材料として挙げた。仮に措置が発動された場合、韓国や中国から米国に輸出していた鋼材が行き場を失いアジアに流入、「減産しない限り、アジアのマーケットの崩壊につながる」。

米商務省は通商拡大法232条に基づき、鉄鋼輸入が安全保障に及ぼす影響の調査を行っている。当初、6月末までに結果を報告することを目指していたが、まだ調査報告書は出ていない。

また、自動車の軽量化ニーズが高まる中、他の軽量素材との競争は「極めて大きな経営課題。最優先で進めている」と述べた。鉄鋼については、重量やコスト、環境負荷の面からも「十分に対抗できる。鉄が中心になることは間違いない」としながらも、「炭素繊維や樹脂との複合素材がひとつの戦略」と述べ、新しい組合わせの研究を進めていることを明らかにした。 (清水律子 大林優香)

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