[シドニー 27日 ロイター] - オセアニア外国為替市場で豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは堅調。世界的に経済見通しが悪化する中、両国が新型コロナウイルス感染を抑制できていることが支援材料。
豪ドルは0.1%高の1豪ドル=0.7131米ドル。直近安値(0.7018米ドル)を上回り、次の抵抗線(0.7158米ドル)が視野に入ってきた。
NZドルも小幅上昇し1NZドル=0.6683米ドル。こちらも先週の安値(0.6551米ドル)から大きく上昇し、目先の抵抗線(0.6704米ドル)に接近している。
他国に比べコロナ制御に成功していることが、豪消費者心理を押し上げている。ANZの週次調査で消費者信頼感は8カ月ぶりの高水準となった。
ANZの豪経済担当責任者のデビッド・プランク氏は「人々は、現在の経済見通しには依然慎重だ。しかし、将来の経済・金融の状況についてははるかに前向きな見方をしており、労働市場が持ち直せば支出の回復が期待できる」と述べた。
外資の豪企業買収も豪ドルを支援する。直近では、飲料大手コカ・コーラ・アマティルに対し、欧州のコカ・コーラ系列ボトラー、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズが92億8000万豪ドル(66億米ドル)での買収を提案した。
ウェストパックの為替戦略責任者、リチャード・フラヌロビッチ氏は「最近の一連のM&A(合併・買収)ニュースは、株式資本関連の資金流入が続いていることを示す」と述べた。
豪国債は引き続き、豪中銀が来週、追加緩和を決定するとの観測に支えられている。
来週の豪中銀理事会については、政策金利を0.25%から0.1%に引き下げ、3年債利回り目標も同水準に下げる、量的緩和を拡大する、というのがアナリストの大方の予想。
3年債先物はすでにその予想をほぼ織り込み99.840(0.16%)となっている。
※原文記事など関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」