[シドニー 28日 ロイター] - オセアニア外国為替市場で、豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは小動きで推移している。中国の水際対策緩和を受けた当初の楽観ムードが一服し、世界経済の先行き見通しを巡る警戒感が重しとなっている。
年末に向けて取引が細る中、豪ドルはほぼ横ばいの1豪ドル=0.6733米ドル。中国の水際緩和を背景に前日は0.6775米ドルと8営業日ぶりの高値を付けていた。ただし上昇の勢いは続かず、21日移動平均(0.6742米ドル)の抵抗線に阻まれている。
NZドルも変わらずの1NZドル=0.6277米ドル。前日には3日ぶり高値の0.6317米ドルを付けた。支持線は200日移動平均の0.6243米ドル。
INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は、入国制限緩和で中国の経済成長率が来年、コロナ禍前の水準に回復するのかは疑問と話す。
「中国政府はコロナ規制の緩和や撤廃により国内経済の再開を目指しているが、時期が良いとは言えない。欧米は2023年上期に緩やかなリセッションに入る可能性がある。海外需要が減退、製造業など輸出関連の活動が鈍化し、中国経済の回復の足を引っ張るだろう」とした。
豪10年債利回りは23ベーシスポイント(bp)上昇して4.075%と、10月以来の高水準。3年債利回りも19bp上昇の3.529%と10月末以来の高水準となっている。
※原文記事など関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」