[シドニー 26日 ロイター] - オセアニア外国為替市場の豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは、このところの急伸を受けて、上昇が一服している。米国の祝日のため、取引高も低迷。
ただ、新型コロナウイルスのワクチン開発で世界経済の回復が進むとの期待を背景に、商品価格やリスク資産は底堅く推移している。
豪ドルは1豪ドル=0.7369米ドル。今月は4.9%値上がりし、3カ月ぶりの高値となる0.7373米ドルに到達した。
強気筋は9月の高値0.7413米ドルを試す準備を進めており、この水準を抜ければ、2018年8月以来の高値水準に向かうとみられる。
NZドルは1NZドル=0.7006米ドル。先に2018年6月以来の高値を記録している。次の主要ターゲットは0.7060米ドル。ただ今月は6%近く値上がりしており、利食い売りが出やすい地合いとなっている。
NZ経済は予想以上に好調で、住宅価格が高騰しているため、市場では追加緩和観測が後退している。米ドル安もNZドルの支援要因。
NZ政府は今週、中銀に対し、政策金利の決定で住宅価格を抑制する必要性も考慮するよう求めた。
ウエストパックのNZ担当チーフエコノミスト、ドミニク・スティーブンズ氏は「短期的に中銀の利下げ意欲が低下するかもしれない。われわれは4月、5月、8月の利下げを予想していたが、その可能性は低下しているようだ。現在、予測の見直しを行っており、いずれ新たな予測を明らかにする」と述べた。
スワップ市場が織り込んでいる来年終盤までの利下げ幅はわずか10ベーシスポイント(bp)。1カ月前は25bpを超えていた。
NZの10年物国債利回りは0.925%で、月初から34bp上昇している。対米国債利回りスプレッドはマイナス33bpからプラス11bpに拡大しており、キャリー取引の魅力が大幅に増している。
一方、豪10年物国債利回りは0.93%と、今月は10bpしか上昇しておらず、豪ドルは対NZドルで一時1豪ドル=1.0469NZドルと7カ月ぶりの安値に下落した。
豪10年債先物は1ティック上昇の99.0850。10月の高値99.2900を大幅に下回っている。
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