[シドニー 6日 ロイター] - オセアニア外国為替市場の豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは、週間ベースで大幅高となる見通し。米大統領選の開票結果を受けて景気対策成立への期待が後退し、米ドルが売られていることが背景。
豪ドルは0.3%安の1豪ドル=0.7265米ドル。国内投資家は、豪中関係の悪化を懸念しているが、為替トレーダーは、まだ対中輸出全体に悪影響は出ていないと指摘している。
豪ドルは週間ベースでは3%以上値上がりする見通し。
NZドルは0.1%高の1NZドル=0.6781米ドル。週明けから2.5%値上がりしている。
市場の関心は米大統領選にも集まっている。アナリストの間では、米国で政治が停滞すれば、米連邦準備理事会(FRB)が追加の行動を迫られるとの見方も出ている。
ペッパーストーンのストラテジスト、クリス・ウェストン氏は「米国株の急伸で米ドルが売られている。米ドルに代わる最善の選択肢を探すことがストラテジストの仕事だが、それはノルウェークローネかもしれないし、NZドル、豪ドルであるかもしれない」と述べた。
一部のアナリストは、米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利すれば、米中関係が改善し、豪ドルとNZドルの支援材料になると指摘している。
豪中銀は6日、短期的な経済活動の見通しを引き上げた。また、これ以上の利下げは検討していないと強調した。
ただ、ANZは「中銀の予測では今後2年間、中銀の目標を達成できない。追加緩和の可能性に警戒する必要がある」と指摘。「債券買い入れプログラムが、当初予定の6カ月間から延長されることは避けられない」と述べた。
豪中銀は今週、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%から0.10%に引き下げるとともに、1000億豪ドル規模の国債買い入れプログラムを発表した。
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