[シドニー 17日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが数カ月ぶり安値付近にとどまった。14日発表の米経済指標が堅調となり、米ドルを下支えした。
豪ドルは0.6879米ドルで持ちこたえている。14日には一時0.6862米ドルまで下落した。
対円では売り圧力にさらされ、75円付近の主要な支持線を割り込んだ。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のシニア為替ストラテジストは、20カ国・地域(G20)会議を控えた警戒感や中東・香港での緊張の高まりを背景に、豪ドル/円の下落が豪ドル/米ドルにも波及する可能性があるとの見方を示した。
NZドルは0.6505米ドル。前週は2.6%下落し、5月安値(0.6482米ドル)目前に迫った。
米ドルは14日、予想を上回る米小売統計を受けて年内の米利下げ観測がやや後退したことを手掛かりに買われた。
19日には米連邦公開市場委員会(FOMC)声明が発表されるが、市場は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ鈍化や世界貿易のリスクを踏まえてハト派に傾くと予想している。
豪国内でも利下げ観測は和らいでいる。金利先物市場が織り込む7月利下げの確率は前週、一時70%まで上昇したが、直近では46%に低下している。
豪中銀による6月上旬の利下げが国内住宅市場にプラスの効果をもたらす兆しも出ており、ここ2週間でオークション成約率の上昇や住宅価格の安定化が確認されている。
豪国債先物は下落し、3年物は4.5ティック安の99.01、10年物は3.25ティック安の98.5900。