[東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車の豊田章男社長は6日、2020年4─9月期決算会見で、静岡県裾野市で建設を予定し、あらゆるモノやサービスがつながる実験都市(スマートシティー)「ウーブン・シティ」について、21年2月23日に着工する意向を明らかにした。
ウーブン・シティは、子会社トヨタ自動車東日本の生産拠点の1つで今年末に閉鎖する東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して建設される予定。豊田社長は、ウーブン・シティの鍬入れ式を、建設予定地の近くにある「富士山」にちなんだ語呂合わせで「2月23日にしたいと思っている」と述べた。さらには、ウーブン・シティでの実験に向けて、個人・法人含め「約3000の方々がパートナーになりたいということで応募いただいている」とも語った。
居住人数はまず「360人くらい」(豊田社長)で開始する見通しで、高齢者や子育て世代といった社会課題を抱えた人たちと発明家が住むという。豊田社長は、ウーブン・シティから社会課題の解決に向けた発明を生み出したいとし、「発明家の方々には一定期間を設け、成果が出ない場合は次の方に代わっていただく」という活性化の仕組みを準備している、と話した。
ウーブン・シティでは、居住者が自動運転や人工知能(AI)、ロボットなどの最先端技術を実際の生活の中に取り入れた実証実験が行われる。初期段階では、トヨタの従業員やプロジェクト関係者など2000人程度が実際に暮らすことが想定されている。 (白木真紀)
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