[カラカス 30日 ロイター] - ベネズエラの国有石油会社PDVSAの2020年償還債の保有者が、27日が期日だった総額8億4200万ドルの元本返済をまだ受けていないことが、6人の市場筋の話で30日に明らかになった。
PDVSAの社債やベネズエラ国債は、デフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念を背景に新興市場で最も高利回りの部類となっている。
ただ、PDVSAが27日に2020年償還債の元本をJPモルガンの口座に移したと発表したことで、懸念が和らいでいた。同じく27日が期日の1億4300万ドルの利払いについては言及しなかった。
1人の市場筋は、資金はJPモルガンにあり、11月1日までに社債保有者の口座に入金される公算だという情報があるが、「PDVSAはこれまで元本返済を遅らせたことは一度もない」ため遅延は懸念すべきことだと語った。
同筋は、償還金の払い込みに2日以上を要したことはこれまでにないとも指摘した。
JPモルガンはコメントを控えた。PDVSAからもコメントは得られていない。
元本支払いの遅延に対して市場はそれほど反応を示さなかった。この日午後の取引にPDVSA債の価格は小幅安となり、2020年償還債の買い値は1.375%ポイント低下した。ベネズエラ国債はまちまちの動きとなった。
2人の関係筋によると、ベネズエラ政府とPDVSAは計7億5000万ドル近い利払いを遅延している。これには27日期日の2020年償還債の利払いも含まれる。10月中に30日間の支払い猶予期間を繰り返し活用したことが遅延につながった。