[東京 10日 ロイター] - 医薬品は総じて軟調。午前10時50分現在、東証33業種で医薬品は値下がり率トップとなっている。個別では、エーザイが8%超安となっているほか、中外製薬、大塚ホールディングスなども1%超安での推移となっている。9日の米国株式市場でバイオジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、アムジェンなどの主要医薬品株が軒並み下落した流れを引き継ぐ展開となっている。
バイオジェンの最高経営責任者(CEO)は9日のヘルスケア関連のイベントで、エーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」の販売に課題が生じていると発言した。これを受け同日の株価は6%超安となった。
市場では「アルツハイマー病の治療薬は期待値が高いだけに、思惑で上下しやすい」(国内証券)との声が聞かれる。
そのほか、米保健福祉省(HHS)が薬価を下げるための計画を発表したことも医薬品株全体の重しとなっている。バイデン政権は高齢者向けの公的医療保険「メディケア」に価格交渉を可能にするほか、インフレ率以上の値上げを行った製薬会社に罰則を科すなどして価格引き下げを目指している。この日のS&Pヘルスケアは1%超安となり、10日の東京株式市場にも波及する展開となっている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」