[東京 17日 ロイター] - ファーストリテイリングは連日で年初来安値を更新している。一時前営業日比1.27%安の8万0730円台まで下落した。同社の株価は3月2日に上場来高値(11万0500円)を更新以降、下落基調をたどっている。
市場ではバリュエーションを警戒する声が聞かれる。同社の株価は昨年のコロナショック時の安値から上場来高値まで約2.5倍上昇しており、現在の株価水準でも予想PER(株価収益率)は約50倍。「過熱感があり、上昇後のトレンド転換に入りつつある」(国内証券)という。
そのほか、同社のシャツが中国共産党傘下の組織が関わったウイグル綿花を使った可能性があることも株価下落の要因で、人権を巡り明確なスタンスを取っていないことも嫌気されている理由の一つという。「安い服ができる背景にはどのような労働環境があるのかなど、ファスト・ファッションに対する世の中の考え方も変わりつつある。ESG(環境・社会・企業統治)を重視する機関投資家は距離を置きたいのではないか」(別の証券会社)という。
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