[24日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、域内
国債利回りが低下した。欧州中央銀行(ECB)の利上げ幅が縮小する
との見方のほか、銀行セクターの安定性を巡る懸念を背景に安全資産へ
の買いが強まった。
欧州の銀行株は大幅に下落。規制当局と中銀による措置でも銀行セ
クターを巡る問題がまだ抑制されていないとの懸念からドイツ銀行とU
BSが打撃を受けた。
ドイツ10年債利回りは一時1.994%まで低下。
終盤は8ベーシスポイント(bp)低下の2.106%。
関係筋によると、ラガルドECB総裁はEU首脳らに対し、ユーロ
圏の銀行は資本状態が良好で流動性が高いため耐性がある上、必要な場
合はECBが流動性を提供できると語った。
ドイツ2年債利回りは一時2.21%まで低下。終盤は
14bp低下の2.356%だった。
MFSの債券アナリスト、アナリサ・ピアッツァ氏は「銀行セクタ
ーの同様が想定通り融資基準の引き締めにつながれば、ECBは厳しい
立場に立たされる」と指摘。「中銀はこれまでの予想通りには金利を上
げられないだろう」と述べた。
ECB理事会メンバーであるナーゲル独連邦銀行(中央銀行)総裁
は24日、急速な賃金の伸びが高インフレにさらなる上昇圧力をかけて
いるとして、ECBは利上げを継続し、バランスシートの縮小を加速さ
せる必要があるとの認識を示した。また、銀行株が急落したことについ
ては、最近の市場変動を受けた自然な流れだと指摘。利上げ停止は必要
ないと明言した。
イタリア10年債利回りは一時3.928%まで低下。終盤は6b
p低下し3.994%となった。独伊10年債の利回り格差
は188bpだった。
シティのエコノミスト、ジアダ・ジアニ氏は「最終需要への影響や
ECBの反応がまだ不透明なため、最近の銀行の混乱がインフレ見通し
に与える影響について結論を出すのは時期尚早だ」と述べた。
<金利・債券>
米東部時間12時4
1分
*先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
3カ月物ユーロ 96.89 +0.04 96.85
独連邦債2年物 106.36 +0.29 106.07
独連邦債5年物 119.26 +0.60 118.66
独連邦債10年 138.00 +0.96 137.04
物
独連邦債30年 145.88 +1.62 144.26
物
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債2年物 2.388 -0.130 2.524
独連邦債5年物 2.095 -0.097 2.195
独連邦債10年 2.126 -0.073 2.200
物
独連邦債30年 2.211 -0.039 2.175
物
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