[1日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、国債利回り が大きく低下した。リセッション(景気後退)懸念が改めて意識された ことで、安全資産としての国債に資金が流入した。 欧州中央銀行(ECB)のユーロ圏分断化策への期待から、周辺国 と中核国の利回り格差は縮小した。 欧州連合(EU)統計局がこの日発表した6月のユーロ圏消費者物 価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が8.6%と、前月の8.1 %から加速し過去最高を更新。市場予想(8.4%)も上回った。[nL4 N2YI1VY] ウニクレディトの戦略調査部門責任者、ルカ・カズラーニ氏は「消 費者物価統計で成長懸念が払拭されなかったため、利回りはこのところ の低水準にとどまっている」と述べた。 独10年債利回りは前日終値から約20ベーシスポイ ント(bp)低下。一時1.16%と、6月1日以来の低水準を付けた 。ただユーロ圏消費者物価統計の発表を受け、1.41%に上昇する場 面もあった。 独2年債利回りも大きく低下。週初からの低下幅は30 bpを超え、週間ベースの低下としては3月以来最大となった。 INGのアナリストは「年末にかけてユーロ圏がテクニカルなリセ ッションに陥るリスクが高いことに加え、来年はインフレ率の低下が予 想されているため、来年に追加利上げを実施する余地はほとんどない」 との見方を示している。 イタリア10年債利回りは一時20bp低下の3.1 9%。イタリアとドイツの10年債利回り格差は終盤の 取引で196bp。 コメルツバンクのアナリストは「ECBの分断化防止に向けた取り 組みが想定通りの効果をもたらしている」としている。 <金利・債券> 米東部時間11時5 2分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.10 +0.03 100.07 独連邦債2年物 109.53 +0.38 109.15 独連邦債5年物 125.35 +1.16 124.19 独連邦債10年 150.85 +2.07 148.78 物 独連邦債30年 166.36 +2.80 163.56 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 0.501 -0.170 0.678 独連邦債5年物 0.925 -0.177 1.038 独連邦債10年 1.234 -0.140 1.371 物 独連邦債30年 1.564 -0.068 1.636 物 (ーからご覧ください)
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