[ロンドン 7日 ロイター] - <金利・債券> 米東部時間11時59 分 *先物 清算値 前日比 前営業日終 コード 盤 3カ月物ユーロ 100.31 0.00 100.31 独連邦債2年物 111.91 +0.06 111.85 独連邦債5年物 133.19 +0.35 132.84 独連邦債10年物 166.36 +0.85 165.51 独連邦債30年物 186.98 +1.70 185.28 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日終 コード 盤 独連邦債2年物 -0.576 -0.024 -0.552 独連邦債5年物 -0.379 -0.049 -0.330 独連邦債10年物 0.117 -0.048 0.165 独連邦債30年物 0.733 -0.036 0.769 ユーロ圏金融・債券市場では独10年債利回りが約2年ぶりの水準に低下し、ゼロ% に近づいた。欧州連合(EU)が四半期経済予測でユーロ圏の成長率見通しなどを引き下 げたことを受け、景気に対する懸念が拡大していることが背景。 独連邦債を含むユーロ圏の高格付け国債の利回りが3─6ベーシスポイント(bp) 低下する一方で、イタリア国債利回りは最大16bp上昇。成長減速の見通しを受け同国 の財政問題が一段と悪化するとの懸念が出ている。 EUの執行機関である欧州委員会は2019年のユーロ圏の成長率は1.3%となり 、18年の1.9%から鈍化するとの見通しを示した。20年の成長率は1.6%を見込 んでいる。昨年11月に示した成長率見通しは19年は1.9%、20年は1.7%だっ た。 ユーロ圏で軟調な指標の発表が続いていることで、欧州中央銀行(ECB)は利上げ よりも、むしろ銀行に対する流動性供給オペの実施などの景気刺激策を検討する必要に迫 られるのではないかとの見方が出ている。 コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏はECBが発表す る次のスタッフ予想でもインフレ見通しが引き下げられるもようで、これは「ECBが新 たな措置を決定するに十分な論拠となる」と指摘。「流動性を巡る措置、もしくは金利に 関するフォワードガイダンスの変更などが考えられる」とした。 独10年債利回りは約5bp低下の0.105%と、16年11月以来 の低水準を付けた。同利回りはデフレ懸念が高まっていた16年にマイナス圏に落ち込ん だが、それに一歩近づいた。 トレードウェブが今週に入って発表した統計によると、利回りがマイナス圏に落ち込 んだユーロ圏国債の割合は1月は約40%と、9カ月ぶりの水準に上昇している。 ラッセル・インベストメンツ(ロンドン)のポートフォリオ・マネジャー、デビッド ・ビッカーズ氏は「データからは景気後退(リセッション)の傾向が出ていることが読み 取れるため、市場はこうした反応を示している」と述べた。 仏10年債利回りは0.54%近辺、オランダ10年債利回 りは0.22%と、ともに16年終盤以来の低水準を付けた。 ユーロ圏外でも英10年債利回りが8カ月ぶり低水準を更新。イングラ ンド銀行(英中央銀行)はこの日、政策金利の据え置くきを全会一致で決定すると同時に EU離脱(ブレグジット)を巡る不確実性や世界的な景気減速を踏まえ、2019年の英 国の経済成長率予想を10年ぶりの低水準に下方修正した。 一方、イタリア10年債は2.97%近辺と、約1カ月ぶりの水準に上 昇。5年債利回りも16b上昇した。独10年債とイタリア10年債との利回 り格差は18bp拡大した。 イタリア国債の保証コストも上昇。IHSマークイットによると、イタリア国債の5 年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は12bp拡大して いる。 (い)