[上海 13日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで1週間ぶり安値をつけた。トランプ米大統領が、米中通商協議が妥結しなければ、対中追加関税を発動すると表明したことから、売りが優勢となった。
トランプ氏は12日の講演で、米中の「第1段階」の通商合意は間近であると表明。ただ、米国に恩恵をもたらすものでなければ受け入れないと強調した。協定署名の日時や開催地などには一切触れず、詳細の発表を見込んでいた向きには期待外れの内容となった。
ミズホのチーフ・アジア通貨ストラテジスト、ケン・チャン氏は、米中が第1段階の部分合意に失敗し、関税が発動されれば、両国間の緊張が再び高まり、人民元は国内外市場で、すぐに1ドル=7.1元の水準まで下げる可能性がある、との見方を示した。
国内市場の人民元は序盤に7.0270元と、11月5日以来の安値をつけた。中盤時点では、前営業日終値比139ポイント(0.2%)安の7.0212元。
中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元の対ドル基準値(中間値)を7.0026元に設定。前営業日基準値(6.9988元)より38ポイント(0.05%)の元安水準。
UBSのエコノミスト、ワン・タオ氏は、人民元は引き続き下押し圧力に直面するが、来年はおおむね安定する、との見方を示した。
オフショア人民元は中盤時点で1ドル=7.0234元。