[上海 15日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対米ドルで小幅高。海外市場でのドル安を受け、基準値が元高方向に設定されたことが要因となった。
海外市場では、ドイツの第3・四半期成長率が好調だったことを受けてユーロが買われ、ドルは主要通貨バスケットに対し下落した。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.6263元と、前日(6.6399元)に比べ136ポイント(0.21%)の元高水準に設定した。1日での元高方向での変更幅としては、10月11日以来の大きさとなった。
スポット市場の人民元は6.6336元で始まった後、中盤時点で6.6321元で推移。これは前日終値に比べ45ポイントの元高、基準値に比べ0.09%の元安。
トレーダーによると、企業のドル需要は限定的だったという。
中国の銀行の上海支店に勤務するトレーダーは、市場参加者の自己勘定売買はこの日「引き続き慎重」だと述べ、オンショア人民元は年末にかけて6.61―6.68元で推移すると予想した。
ナティクシスのチーフエコノミスト、アリシア・ガルシア・エレーロ氏はリポートで、元は「今後数カ月、穏やかな下方圧力を受ける」と予想。「その一方で、米国経済に関する良いニュースや米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測がドル高に拍車をかける可能性があり、元には改めて売り圧力がかかるだろう」と述べた。人民銀は、元の大幅安を容認しないとの見方も示した。
人民銀が14日に公表したデータに基づきロイターが算出したところでは、人民銀の10月の外貨取引は21億元(3億1670万ドル)の買い越しだった。
主要6通貨に対するドル指数は93.812と、前日終値の93.827から下落。
オフショア市場の人民元は6.6364元と、オンショアの水準に比べて0.06%の元安。オフショアの1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.784元と、基準値に比べ2.32%の元安で推移している。