[上海 9日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで小幅に上昇。短期金融市場逼迫の兆しや信用データが力強い伸びを示すとの見方に支援されている。
中国人民銀行(中央銀行)は市場の取引開始前に元の基準値(中間値)を1ドル=6.7905元に設定した。前日基準値(6.7752元)と比べ153ポイント(0.23%)の元安水準となった。
国内スポット市場の人民元は1ドル=6.7922元で始まった後、中盤時点では6.7904元と前日終値比36ポイントの元高。
中国の短期金利は9日も高水準を維持。多額のリバースレポが満期を迎えることから人民銀が潤沢な資金供給を行ったにもかかわらず、翌日物加重平均レポ金利は2年ぶりの水準で高止まりしている。
市場筋やアナリストは信用需要の強さが金利を押し上げていると指摘する。
ロイター調査では、近く発表される1月の人民元建て銀行融資が過去最高に達すると予想されている。新型コロナウイルス規制解除後に人民銀が景気支援に動いたことが背景。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、トミー・ウー氏は先月末に終了した春節(旧正月)休暇に言及し、「今回の伸びは通常の休暇による影響を超えるものになる見通しだ」と指摘。「信用需要の強さを示している可能性があり、景気回復のポジティブなサインだ」と述べた。
オフショア人民元は中盤時点で6.795元。
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