[上海 20日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで10日ぶり高値を付けた。中国人民銀行(中央銀行)による基準値の元高設定や、世界貿易への足元の懸念が和らいだことで安全資産としてのドルが若干売られたことが背景。
元は前週、週足では10週連続で下落した。10週連続での下げは、1994年に元の為替レートが一本化されて以来で最長だった。
市場参加者の一部は、元が心理的に重要な節目である1ドル=7元の安値を試すのは時間の問題だとみているが、当局は積極的な元売りを容認しない姿勢を示すとみられる。
米中は今週も、貿易に関する協議を継続する見通しで、関税の応酬がエスカレートする局面を回避できるのではないかとの見方が出ている。
人民銀は、この日の人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.8718元に設定した。前営業日の基準値(6.8894元)と比べ176ポイント(0.26%)の元高水準。
主要6通貨に対するドル指数は96.165と、前営業日終値の96.101から上昇した。
スポット市場の人民元は6.8595元で始まった後、一時、10日以来の高値となる6.8450元まで上昇した。
中盤時点で6.8466元で推移。これは前日終値に比べ399ポイントの元高、基準値に比べ0.37%の元高。
オフショア市場の人民元は6.8363元と、オンショアの水準に比べて0.15%の元高。
オフショアの1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.8847元と、基準値に比べ0.19%の元安で推移している。