[上海 16日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、米国債利回りの上昇を受けたドル高を背景に一時1週間ぶり安値を付けたが、その後持ち直した。
米10年債利回りの大幅上昇を受けてドルは主要通貨に対して買われ、ドル指数はオーバーナイトで一時93.457と、12月22日以来の高水準を記録した。中盤時点では93.261。
中国人民銀行はこの日の対ドル基準値(中間値)を6.3745元に設定。前営業日の基準値(6.3486元)からは259ポイント(0.4%)の元安。5月10日以来の元安水準で、前日比下落率としては5月2日以来最大。
スポット市場の元は6.3770元で始まった後、6.3808元と、5月9日以来の低水準を記録した。
ただ、その後持ち直し、中盤には6.3683元と、前営業日終値に比べて42ポイントの元高、基準値比では、0.10%の元高となった。
みずほ銀行(香港)のシニア為替ストラテジスト、ケン・チャン氏は、米国債利回りの上昇を受けてアジア新興国通貨は全般的に圧迫されたが、人民元相場は底堅いと指摘。「中国の経常黒字と人民元の国際化を背景とした継続的な資本流入により、人民元は主要貿易相手国の通貨に対して基本的に堅調を維持している」と説明した。
市場は、2回目の米中通商交渉に注目している。中国の劉鶴副首相は5月15日から19日までワシントンを訪問し、交渉に出席する。
オフショア人民元は6.3597元で、国内市場に比べて0.14%の元高。
人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.473元。基準値比で1.52%の元安となっている。