[上海 13日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は軟調。米国で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、世界経済に混乱が広がるのではないかとの懸念が浮上している。
市場では、こうしたリスク回避志向の高まりを受けて、安全資産とされるドルや円が買われている。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の基準値(中間値)を1週間ぶりの元安水準である1ドル=6.6285元に設定。前日基準値(6.6236元)との比較で49ポイントの元安となった。
国内スポット市場の人民元は6.6196元で取引を開始。中盤のレートは6.6264元と、前日終値比で149ポイントの元安となっている。
この水準で夜間取引を終えれば、今週は0.28%下落したことになる。週間ベースで7週間ぶりの大幅な下落となる。
ある国内銀行のトレーダーは「市場はドルの値動きを追っている。ワクチン開発や米国のバイデン次期大統領の対中政策の詳細な情報が待たれている」と述べた。
複数の為替トレーダーは、新型コロナのワクチンが開発されれば、中国経済と世界経済の回復ペースの格差が縮小し、元に売り圧力がかかるのではないかと指摘している。
ただ、元に強気の姿勢を維持しているトレーダーもおり、元相場の予想を上方修正する動きも出ている。
スタンダード・チャータードの中国マクロ戦略トップは「バイデン氏の勝利で、人民元のイベントリスクのプレミアムが低下する。そうなれば、ファンダメンタルズを反映した値動きになるだろう」と指摘。
「来年上半期にかけて元高が進むとみている。その後、中国経済の相対的な優位性が低下すれば、来年下半期にやや伸び悩む可能性がある」と述べた。
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