[東京 20日 ロイター] -
<T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネジャー 浪岡宏氏>
足元の円安は、米金利が一段と上昇していることでドルが買われて、その裏で円が売られている。これまで米2年債利回りと連動性の高かったドル/円は、今は10年債利回りとの相関性が強まっており、米10年債利回りの上昇がドル/円を押し上げた。
目先3カ月程度のドルの上値めどとしては、132円を予想する。ただ、予想を立てるのは非常に難しくなっている。その理由は、当局がどのタイミングで(円安抑制の)対応をしてくるかが分からないからだ。さすがにここまで円安が進行してしまうと、実質実効為替レートや購買力平価の水準からみても円安に振れ過ぎており、当局者の間でもそうした認識があるとみている。
しばらくドル/円は米金利の動向をドライバーに動く可能性が高いだろう。また、日本の貿易収支など実体経済に即した指標もポイントになりそうだ。ただ、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げなどがアナウンスされると、材料出尽くし感からいったん金利の上昇がストップする可能性はあり、その場合ドル/円も高止まりするのではないか。
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