November 18, 2019 / 1:54 AM / 22 days ago

再送-〔アングル〕安倍首相歴代最長へ、アベノミクスは試練に直面

(一部で正しく表示されなかったため、再送します)

[東京 18日 ロイター] - 20日に首相在任期間が歴代最長となる安倍晋三首相だが、経済運営では試練に直面している。米中貿易摩擦で世界経済の経済が減速する中、2019年7─9月実質国内総生産(GDP)の成長率は前期比0.1%増(年率換算0.2%増)とほぼ横ばいにとどまった。10─12月期は10月の消費税率引き上げ直前の駆け込み需要の反動に加え、台風などの被害の影響もあり、マイナス成長は避けられない見通しだ。

安倍首相は2012年12月に第2次安倍政権を発足させて以降、大胆な金融政策と機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」を打ち出し、デフレ脱却に向けた経済政策「アベノミクス」を推し進めてきた。その効果もあり、日本経済に暗い影を落としていた円高は円安方向に転換。2017年の日経平均は年末終値ベースで1991年以来26年ぶりの高値をつけた。前回、景気後退が始まったのは2012年4月で、終了したのは2012年11月。安倍首相が首相に返り咲いた2012年12月以降、景気後退に陥ったことは一度もなく、景気拡大はいざなみ景気(2002─08年)を超え、戦後最長となったもよう。

しかし、足元では企業業績に陰りが見え始めている。SMBC日興証券の調べによると、上場企業の業績は金融危機後、初めて2期連続の減益となる見通しだ。現在は海外経済の減速を背景とした外需の弱さを内需でカバーする状況が続いているが、海外経済の回復がもたつけば、外需と内需の「デカップリング」で景気を支える構図が崩れる可能性もある。

総務省の「家計調査」によると、2人以上の世帯の9月の消費支出(変動調整値)は1世帯当たり30万0609円と、前年同月比(変動調整値)で実質9.5%増となった。伸び率は、前回増税時前の2014年3月の同7.2%増を上回り、比較可能な2001年1月以降で最大となった。政府の需要平準化策で駆け込み需要は発生しないとみられていたが、ふたを開けてみれば前倒し消費が発生していた。市場では駆け込みの反動を懸念する声が出ている。

自民党の山本幸三・元地方創生担当相は「アベノミクスのスタートは大成功だったが、消費税引き上げのタイミングを間違ったために頓挫してしまい、なかなか回復できない状況にある」と指摘。「今後の試金石は補正と来年度予算をどこまで思い切ってできるかだ」と述べ、大胆な財政支出を求めた。

日銀が2013年4月に量的・質的金融緩和を導入してからすでに6年半が経過しているが、市場では金融緩和の効果は限界に近づきつつあるとの見方が目立つ。また、公共事業によるテコ入れも人手不足という制約に直面しており、2020年東京五輪・パラリンピック後の日本経済失速シナリオは現実味を帯びている。

山本氏は「補正予算で国債を発行してもらって、日銀がどんどん買えばいい」と述べ、最低でも5兆円、可能であれば10兆円を上回る補正予算の編成が必要との認識を示した。

日銀は10月30─31日の金融政策決定会合で、政策金利を引き下げる可能性があることを明記した新たなフォワードガイダンスを導入した。しかし、市場では7月声明文の「先行き、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、躊躇(ちゅうちょ)なく、追加的な金融緩和措置を講じる」、9月声明文の「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れについて、より注意が必要な情勢になりつつある」も含め、相次ぐ口先介入は実弾を撃てない裏返しとの見方が出ている。

金融政策の手詰まり感が鮮明になる中で、一部に財政支出を期待する声もあるが、財務省が8日発表した9月末現在の国の借金(国債や借入金など)は1104兆9286億円と、GDPの2倍の規模に達している。第2次安倍政権が始まった2012年12月以来、約30兆円の経済対策が組まれており、市場では財政規律の観点から大盤振る舞いを批判する声もある。

足元では労働力不足で公共事業の消化率が低下しており、財務省内には「補正を組んでも効果が薄い」との見方も出ている。

国民民主党の大塚耕平参院議員は「安倍政権の6年間、産業構造や技術革新が加速的に激変したが、日本はそれに対応できなかった」と指摘。「日本は物価が2%になればすべてが好循環するといってマクロ経済政策に没頭したが、今はそれが問題なのではない」と述べ、旧来の経済政策にとどまる政府の対応を批判した。

金子かおり 志田義寧

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