[22日 ロイター] - 訪米中の岸田文雄首相は22日(日本時間23日)、ニューヨーク証券取引所で演説し、看板政策「新しい資本主義」を推進することで日本経済を再び成長軌道に乗せると強調。「確信をもって日本に投資をしてほしい」と呼びかけた。
首相は「新しい資本主義」を米大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手になぞらえて言うと「成長」と「持続可能性」の二刀流だ、と説明。様々な社会課題を解決して成長のエンジンにしていくため、予算や税制、規制改革といったあらゆる政策を総動員すると語った。
近いうちに世界中の投資家から意見を聞く場を設けるなど、日本のコーポレートガバナンス改革を加速化し、さらに強化するとも述べた。
優先課題の一つに位置づけるGX(グリーントランスフォーメーション)では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて大きな変革に挑んでおり、日本経済復活の大きなチャンス、ブースターになるとアピールした。
国内で今後10年間で150兆円超のGX投資を実現するほか、原子力発電の問題に正面から取り組むと語った。
資産所得倍増プランでは、日本には2000兆円の個人金融資産があるものの、現在、その1割しか株式投資に回っていない、と指摘。「資産所得を倍増し、老後のために長期的な資産形成を可能にするためには、個人向けの少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が必須だ」と語った。
10月11日から日本で新型コロナウイルス対応の水際対策を緩和し、ビザなし渡航、個人旅行を再開するとも表明した。
首相は、「野球で一番盛り上がるのは逆転勝ちだ。私はきょうここに日本の国民の協力を得て、日本経済を再生し、活性化すると伝えたい」と締めくくった。
故安倍晋三首相(当時)は2013年9月、ニューヨーク証券取引所でスピーチし「世界経済回復のためには、3語で十分だ。『Buy my Abenomics』」と語り、日本経済の復活をアピールした経緯がある。
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