[東京 3日 ロイター] -
<三菱UFJモルガンスタンレー証券・チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏>
菅義偉首相が自民党総裁選の出馬を見送り、辞任の意向を固めたと伝わったが、為替市場への影響は今のところ限定的となっている。今後、誰が首相になるのかといった不透明感もあり、ドル/円相場はやや円売りが進行したが、報道後の値幅は20銭ほどと限られている。
株式市場では日経平均が大きく値上がりするなど影響が大きいが、マーケットによって政治ネタに対する反応には温度差がある。菅首相が辞任し首相が変わったとしても、直接的に日本の金融政策に大きな変更がある可能性は低く、為替マーケットでは反応が薄いようだ。
また、市場関係者の関心は今晩米国で発表される8月雇用統計に向かっているため、菅首相辞意の報道はサプライズだったが、インパクトはそれほど大きくない。
目先のドル/円相場は、米雇用統計の結果次第ではあるものの、109円前後から111円付近で推移するとみている。雇用統計後はFOMC(米連邦公開市場委員会)をにらみ、再び様子見姿勢が強まりそうだ。
浜田寛子
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