[東京 26日 ロイター] -
<三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏>
国内連休中の米株高を受けて日本株は上昇で始まったが、想定したほどではなく上値の重さが感じられる。
米株は、主要ハイテク企業の決算を控えており、好業績への期待から先回りして買われているようだ。日本は東京五輪という個別要因があることから、市場には、新型コロナウイルスの変異株「デルタ」の感染動向にどのように影響してくるかを見極めたいムードが根強い。
国内企業も好決算が見込まれるが、コロナ禍が続く中で早々に上方修正する動きは多くないとみられ、投資家も様子見姿勢が強まりやすい。菅義偉政権の支持率低下も伝わっている。特に海外投資家は政治の不透明感を嫌がり、日本株の上値の重さにつながっている可能性がある。
日経平均は2万7000円台前半で底堅さがみられる一方、2万9000円に近づく場面では頭を押さえられやすい。五輪が終了し、感染状況が一服するようになるまで、景気敏感株の復調は期待しにくい。夏場は方向感なく横ばいでの推移が継続しそうだ。
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