[12日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 大幅反落して取引を終えた。英 国の3月の国内総生産(GDP)がマイナス成長となったことや、米国の高インフレ継続 を示す指標を受けて積極的な利上げへの懸念も強まり、景気後退を警戒した売り注文が広 がった。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.85%安。 石油大手のBP、シェルはそれぞれ4.7%、3.3%下落。需要減 少やリセッション(景気後退)への懸念を背景に商品価格が値下がりし、FTSE350 種鉱業株指数は3.87%下げた。 銀行株指数は1.96%安。スイスクオート銀行のシニアアナリスト 、イペック・オスカルデスカヤ氏は、英国の経済減速や景気後退の可能性がシクリカル( 景気循環)銘柄の重しになったと述べた。 オスカルデスカヤ氏は「今年は経済減速が主要テーマになるとの懸念が強まっている 。イングランド銀行(英中央銀行)も、今年末までに景気後退に陥ると予想していると述 べた。経済指標は英景気の回復鈍化を裏付けている」と指摘した。 3月の英国内総生産(GDP)は0.1%減と、予想外のマイナスとなった。202 2年第1・四半期は前期比0.8%増だった。生活費の危機がますます深刻化する中、第 1・四半期は22年の最高点だった可能性が高い。 さらに、英中銀のラムズデン副総裁はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、 インフレ高進に対処するため金利を一段と引き上げるべきとの見解を示した。 個別銘柄では、小売りのJDスポーツが6.6%上昇。22年度の通期利益見 通しを引き上げたことが好感された。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 反落して取引を終えた。景気変動に敏感な業種の下落が響いた。 前日発表された米消費者物価指数の上昇率が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FR B)による金利上昇が経済成長に及ぼす悪影響懸念が再燃した。 STOXX欧州600種テクノロジー株指数が0.45%、自動車・部品株 指数が1.22%、資源株指数が2.94%それぞれ下落した。 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ヘーフェレ最高投資責任者( CIO)は顧客向けのメモで「インフレのデータは今後数カ月間にわたり、政策立案者と 投資家の両方にとっての主要な関心事であり続けると予想している」とし、「急速な賃金 上昇と力強い需要はサービス価格の持続的な上昇をもたらす可能性があり、そうなればた とえモノの価格が安定してもFRBは利上げを継続せざるを得なくなる」と指摘した。 金融政策の引き締めや中国の景気減速、インフレ高進に対する懸念で景気後退への不 安が高まった。2022年第1・四半期の企業決算はおおむね支援材料になっているもの の、STOXX欧州600種指数は5月に入ってから5.77%下落。この日は 一時417.27と3月8日以来、約2カ月ぶりの安値を付けた。 一方、ウクライナが主要中継地点の一つを経由するロシア産ガスの欧州向け輸送を停 止し、ウクライナ経由の欧州向け供給量が25%減少。ロシアによるウクライナ侵攻以降 、ウクライナ経由のガス供給が影響を受けるのは今回が初めて。 投資家の不安心理の度合いを示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数 は一時33ポイントを超えた。 個別銘柄では、ドイツの総合電機大手シーメンスが2.5%安。ウクライ ナ戦争によりロシア市場から撤退すると発表、22年第2・四半期に6億ユーロ(6億3 018万ドル)の損失を計上したのが響いた。 半導体大手STマイクロエレクトロニクスは4.0%高。遅くとも2027 年までに年間売上高が200億ドルを超えるとの予想を発表した。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> ドイツ10年債利回りの低下幅が3月上旬以来の大きさとなった 。米インフレ統計を受け連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを実施するとの見方 が強まり、成長見通しに対する懸念が高まった。 ドイツ10年債利回りは13ベーシスポイント(bp)超低下し2週間 ぶりの低水準。1日当たりの低下幅は3月1日以降で最大となった。 INGの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「米国のインフレ統計発表 を受け、多くのポジションが解消されたようだが、より広範な意味では成長懸念が加速し ている環境にある」と指摘。「このような環境下で中銀がインフレを抑制し成長が鈍化す れば、過去数カ月において安全資産として扱われなかった国債が突然安全資産として扱わ れるようになる」と述べた。 ユーロ圏の5年後から5年間の期待インフレ率は2.20%。先週付 けた一時2.50%から大幅に低下している。 ドイツ2年債利回りは10bp低下の0.055%と3週間ぶりの低水準 。マイナス圏に接近した。 短期金融市場が織り込む、ECBが年末までに実施する利上げ幅は83bpと週初の 95bpから低下した。 イタリア10年債利回りは14bp低下の2.72%。独伊10年債の 利回り格差は188bpとなった。 発行市場では、イタリアが3年債、7年債、30年債の入札で67億5000万ユー ロを調達。アイルランドは10年債と23年債の入札で12億5000万ユーロを調達し た。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.0373 1.0458 ドル/円 128.10 128.84 ユーロ/円 132.90 134.74 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 424.40 -3.19 -0.75 427.59 FTSEユーロファース 1663.83 -12.57 -0.75 1676.40 ト300種 ユーロSTOXX50種 3613.43 -34.44 -0.94 3647.87 FTSE100種 7233.34 -114.32 -1.56 7347.66 クセトラDAX 13739.64 -89.00 -0.64 13828.64 CAC40種 6206.26 -63.47 -1.01 6269.73 <金現物> 午後 コード 値決め 1851.95 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時38分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.39 0.00 100.39 独連邦債2年物 110.60 +0.19 110.41 独連邦債5年物 128.10 +0.84 127.26 独連邦債10年物 154.76 +1.85 152.91 独連邦債30年物 172.34 +3.58 168.76 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 0.050 -0.099 0.156 独連邦債5年物 0.521 -0.154 0.685 独連邦債10年物 0.854 -0.149 1.011 独連邦債30年物 1.043 -0.121 1.162
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