[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。原油需 要が減るとの見方から比重の大きいエネルギー株が売られた。 石油大手BPは1.9%下落した。気候変動対策や新型コロナウイルスの危機 により化石燃料の需要が減るとの見通しを示したことが売り材料だった。原油価格は安定 していた。 一方、中型株では世界最大の警備会社G4Sが25.1%急騰し、7カ月近 くぶりの高値を付けた。カナダの同業ガーダ・ワールド・セキュリティによる29億50 00万ポンド(38億ドル)の買収提案を「ご都合主義的だ」と拒否したことが材料視さ れた。 英国と欧州連合(EU)の離脱協議が引き続き注視されている。EUはジョンソン英 首相に対し、離脱協定の変更を撤回するように圧力を強めている。INGのエコノミスト は投資家向けのメモで「英国のEU離脱は再び注目を浴びている。英国とEU間に合意が ないまま移行期間が終わる危険性が高まっている」と述べた。 市場はまた、イングランド銀行(英中央銀行)が17日に行う政策決定会合に注目し ている。深刻な景気後退(リセッション)に陥っている英経済は、英国のEU離脱が混乱 することで一段と悪化する可能性があり、中銀が追加刺激策を発表するとみられている。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 続伸して取引を終えた。旅行とテクノロジー株が買われ、エネル ギー株の値下がりを相殺した。 STOXX欧州600種は日中、約0.8%高となる局面もあったが、石油大手のト タルやBP、ロイヤル・ダッチ・シェルが値下がりしたことで上昇幅 を圧縮した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による世界経済の打撃 で原油需要が当初予想よりも大幅に減るとする業界見通しが不安視された。 序盤は英製薬のアストラゼネカが先週中断した新型コロナワクチンの臨床試 験を再開したことで上昇。その後、アストラゼネカは広範なヘルスケア株が売られる中で 0.3%下落して取引を終えた。 一方、STOXX欧州600種旅行・娯楽関連株指数は上昇した。英航空会 社ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の親会社IAGは4.4%高、格安航 空会社のイージージェットとドイツの航空大手ルフトハンザはともに約 2%上昇した。 テクノロジー株指数は0.94%高。欧州の半導体大手のSTマイクロエレ クトロニクスとASMインターナショナルは3.9%と2.7%それ ぞれ上昇した。米同業のエヌビディアが英半導体設計大手アーム・ホールディン グスの全株式をソフトバンクグループから最大400億ドルで取得すると述べた ことが材料視された。取引が成立した場合、世界の半導体産業の構図を塗り替えることに なる。 英国の欧州連合(EU)離脱に関して市場は、発効済みの離脱協定の一部を修正する 英国の国内法案に関する英議会の採決に注目している。EUは英国に法案の撤回を求めて いる。英国とEUが2020年12月の期日までに合意できないとの悲観的な見方が強ま っている。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 域内の国債利回りが小幅に低下。独国債利回りはマイナス0.5 %を付けた。市場は先週の欧州中央銀行(ECB)理事会のハト派姿勢を消化し、今週の 米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目している。 この日の株式市場では、新型コロナウイルス感染症ワクチンへの期待が再び高まった ことなどを受け、全体的にポジティブなムードが広がった。ただ、ユーロ圏債券市場への 影響は限定的で、FOMCを前に積極的な売買は手控えられ、利回りは小動きにとどまっ た。 ユーロ圏の国債利回りは先週末にかけて低下。ECBのレーン専務理事兼チーフエコ ノミストやビルロワドガロー理事(仏中銀総裁)がユーロ高に関するリスクを強調したこ とを受けた。 今週は米連邦準備理事会(FRB)のほか、日銀やイングランド銀行(英中銀)も金 融政策決定会合を開催する。 みずほのストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は、FRBと英中銀の双方が 「ECBよりもハト派姿勢を強める」と指摘。ECBについては、12月までに資産買い 入れ枠を拡大し、来年6月ごろに利下げすると見込んだ。 また、市場が追加刺激策を織り込むことで、独10年債利回りは年末までにマイナス 0.7%に低下すると予想した。 独10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0 .502%となった。終盤はマイナス0.486%。 独2年債利回りは1bp低下のマイナス0.699%。 ウニクレディトのアナリストもECBの追加刺激策を想定。「ユーロ圏国債利回りや 独国債利回りとのスプレッドはパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻っているが、 ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)を見る限り、投資家のインフレ期待を回復さ せるためにはECBの措置がなお必要」とした。独10年債利回りは新型コロナ危機前の 2月下旬と同水準にあるものの、10年先のBEIは10bp下回っているという。 他の中核国債利回りも低下。仏10年債利回りは2bp低下のマイナス 0.2059%となった。 イタリア10年債利回りは3bp低下し、9月3日以降で初めて1%を下 回った。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終 アジア市 コード 盤 場終盤 ユーロ/ドル 1.1871 1.1862 ドル/円 105.67 105.97 ユーロ/円 125.47 125.71 <EURJPY= > <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600 368.51 +0.55 +0.15 367.96 種 FTSEユーロファー 1429.00 +1.05 +0.07 1427.95 スト300種 ユーロSTOXX50 3316.79 +0.98 +0.03 3315.81 種 FTSE100種 6026.25 -5.84 -0.10 6032.09 クセトラDAX 13193.6 -9.18 -0.07 13202.84 6 CAC40種 5051.88 +17.74 +0.35 5034.14 <金現物> 午後 コード 値決め 1958.7 <GOLD/EU 1> <金利・債券> 米東部時間14時27分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.48 -0.01 100.49 独連邦債2年物 112.30 +0.01 112.29 独連邦債5年物 135.09 0.00 135.09 独連邦債10年物 174.00 +0.04 173.96 独連邦債30年物 219.76 +0.06 219.70 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.692 -0.009 -0.693 独連邦債5年物 -0.691 +0.001 -0.690 独連邦債10年物 -0.482 0.000 -0.480 独連邦債30年物 -0.040 +0.001 -0.037
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