[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> ロンドン株式市場は反落して取 引を終えた。鉱業株や銀行株の下落が相場全体を押し下げた。 FTSE350種鉱業株指数とFTSE350種銀行株指数<.FTNMX3 01010>はそれぞれ2.28%、1.59%値下がりした。 資源大手のリオ・ティント、英豪系資源大手BHPグループ、英資 源大手アングロ・アメリカンは2.0―3.1%下落し、いずれもバークレイズ による株価目標の引き下げが売り材料となった。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.37%下げた。 英国立統計局(ONS)が発表した8月の被雇用者数は前月から24万1000人増 と、過去最大の増加幅を記録し、被雇用者総数は新型コロナウイルスのパンデミック(世 界的大流行)前の水準に達した。 フォート・セキュリティーズのセールストレーダー、キース・テンパートン氏は「明 るい材料だが、心配なのは求人数が100万人を超えていることだ。それは賃金の上昇圧 力となり、企業の損益に影響し、結局は消費者に転嫁されるため、市場にとってはインフ レ懸念につながる」と指摘し、「つまり、強気のニュースのようにみえるかもしれないが 、潜在的にはかなり悪材料だ」と述べた。 焦点は、15日に発表される英国の物価データに移る。8月は物価の上昇が見込まれ 、イングランド銀行(英中央銀行)が想定より早く金融政策方針を変更するとの懸念が高 まると予想される。 小売りのJDスポーツ・ファッションは9.7%上昇し、過去最高値をつけた 。スニーカーやスポーツウエアの旺盛な需要を受けて、上半期が過去最高益となったこと が好感された。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 欧州株式市場は横ばいで取引を終えた。鉱業や銀行、高級品株が 足を引っ張り、米インフレ率の鈍化による楽観的な見方は長続きしなかった。 STOXX欧州600種資源株指数は1.94%下落。銀行株指数は 1.07%下がった。 中国での新型コロナウイルス感染拡大への懸念から、フランスの高級ブランドLVM H(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)やケリング、英高級ブランド 会社バーバリー、スイスの高級ブランド、リシュモンは1.6─3.5 %下落した。高級品銘柄が多いフランスのCAC40指数は0.36%下げた。 8月の米消費者物価指数(CPI)で基調的な動きを示すコア指数が6カ月ぶりの低 い伸びとなり、インフレがピークを付けた可能性を示した。これを受け、米連邦準備理事 会(FRB)が金融緩和策の縮小を遅らせるのではとの見方も出て、相場を支える場面も あった。 IGのシニアマーケットアナリスト、ジョシュア・マホニー氏は「FRBがもっと我 慢強くなるとの想定で当初は株価が上昇したが、投資家はその後、今日の指標がFRBの 行動を変えるほどではなさそうだと気付いた」と話した。 欧州の高級ブランド、パンドラは6.8%高。今後数年間の利益目標を 引き上げ、自社株買いを拡大すると発表した。小売りのJDスポーツ・ファッション<JD. L>は9.7%上昇した。ロックダウン(都市封鎖)の緩和で英国店舗の来店者が増え、上 半期の利益が最高になったことを好感した。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> ユーロ圏金融・債券市場では、ドイツ10年債利回りが2カ月ぶ りの高水準から低下した。米インフレ指標の伸びが予想より鈍化したことを受けた。 米労働省が14日発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、変動 の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比4.0%と、7月の4. 3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。 レイモンド・ジェームズの最高投資責任者(CIO)、ラリー・アダム氏は「インフ レ高進が一過性という米連邦準備理事会(FRB)の願いが実現しつつあるという点でか なりポジティブな内容だった。インフレ高進を主導していた多くの分野を見ると、どれも 地に足がつき始めている」と指摘。「これが引き続きFRBに最大の柔軟性を与えている 。われわれのベースシナリオでは、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリ ング(量的緩和の縮小)に関して議論されるが、正式発表は11月のFOMCまでないと 考えている」と述べた。 ドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント弱低下しマイナス0.33 %。序盤は上昇していたが、米CPIを受けた米債利回りの低下に追随した。 2年債利回りは序盤に低調な入札結果を受けマイナス0.301%と2 カ月ぶりの高水準に上昇。2年債と10年債の利回り差は一時39.5bpと7月上旬以 来の大きさに拡大した。 ドイツは2年債リオープン(銘柄統合)入札で39億0800万ユーロを調達。50 億ユーロの募集額に対し応札額は48億0400万ユーロだった。 対照的に、イタリアでは3年、7年、30年債のリオープン入札で57億5000万 ユーロを調達し、利回りはそれぞれ2月、3月、1月以来の低水準となった。 イタリア10年債利回りは入札後にアウトパフォームし、3.5bp低 下の0.65%となった。 サクソバンクの債券ストラテジスト、アルテア・スピノッツィ氏は、イタリアの入札 結果は「欧州中央銀行(ECB)がハト派的なテーパリングを伝えることに成功したとい う事実を強調しており、高ベータの国債が最も恩恵を受けるようになっている」と述べた 。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.1822 1.1823 ドル/円 109.66 109.99 ユーロ/円 129.65 130.05 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 467.65 -0.04 -0.01 467.69 FTSEユーロファースト 1801.68 +0.12 +0.01 1801.56 300種 ユーロSTOXX50種 4191.67 +2.14 +0.05 4189.53 FTSE100種 7034.06 -34.37 -0.49 7068.43 クセトラDAX 15722.99 +21.57 +0.14 15701.42 CAC40種 6652.97 -23.96 -0.36 6676.93 <金現物> 午後 コード 値決め 1793.9 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時20分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.54 0.00 100.54 独連邦債2年物 112.25 0.00 112.25 独連邦債5年物 135.50 +0.02 135.48 独連邦債10年物 171.91 +0.11 171.80 独連邦債30年物 208.56 +0.44 208.12 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.705 -0.001 -0.702 独連邦債5年物 -0.644 -0.001 -0.643 独連邦債10年物 -0.340 -0.007 -0.333 独連邦債30年物 0.152 -0.011 0.164
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