[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。米
連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ決定を控えて売りが優勢となった。11月の
英消費者物価指数(CPI)の上昇率は市場予想を下回ったが、相場への影響は限られた
。
中型株で構成するFTSE250種指数は0.25%安。
14日に発表された11月の英CPI上昇率は、41年ぶりの高水準だった10月か
ら予想されていたより大きく減速した。インフレがピークに達したとの期待が高まり、1
5日に利上げを決めるとみられるイングランド銀行(英中央銀行)にいくらかの安心感を
与えた。
HYCMのチーフ市場アナリスト、ジャイルズ・コグラン氏は「インフレ率はやや鈍
化したが、その多くは最近のエネルギー価格の下落によるものだ」と指摘。「これは、原
油価格が再び上昇し始めると英国のCPIが上昇し、英中銀に再び圧力がかかることを意
味する。英中銀はすでに5四半期の景気後退を予測している。スタグフレーションのリス
クはとても現実的だ」と述べた。
FTSE350種住宅建設株指数は1.21%安。JPモルガンのア
ナリストが顧客向けメモで住宅建設業界に慎重な見方を示し、今後数カ月の「季節的な落
ち着き」を理由に、複数の銘柄の投資判断を引き下げたことが嫌気された。
旅行大手TUIは8.0%下落。来年の資金調達を通じて新型コロナウイル
ス支援の返済を計画していると明らかにしたことが材料視された。
ロンドン株式市場:
<欧州株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利上
げ決定を控え、投資家は慎重姿勢を崩さなかった。
FRBは14日、政策金利の50ベーシスポイント(bp)引き上げを決定すると見
込まれている。前回の11月までは4回連続で75bp引き上げていた。しかし、投資家
は急激な利上げで景気後退に陥りつつあることを警戒しており、今後の利上げへの懸念も
根強く、楽観的な見方は抑えられた。
英国の11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率は予想より大きく低
下した。ユーロ圏の11月の消費者物価指数(HICP)速報値も鈍化しており、物価上
昇圧力の緩和をさらに示した。イングランド銀行(英中央銀行)と欧州中央銀行(ECB
)は15日に金利の決定を発表する。
ラボバンクのシニア・マクロ・ストラテジスト、バス・ファンヘフェン氏は「昨日発
表された米CPIは(FRBの)利上げサイクルが緩和されるとの市場の期待を高め、欧
州市場に影響した。ECBがどの程度の速さと期間の引き上げサイクルになるかという市
場の認識に影響を与えるからだ」と指摘した。
金利に敏感なSTOXX欧州600種テクノロジー株指数は0.94%下落
。STOXXユーロ圏銀行株指数は0.46%下げた。
ディフェンシブ銘柄のスイス食品大手ネスレが1.4%、英日用品のユニリ
ーバが1.1%それぞれ上昇したのも相場全体の下落を抑えた。
STOXX欧州600種旅行・娯楽関連株指数は1.40%安。旅行大手T
UIが8.0%下落したのが足を引っ張った。
欧州株式市場:
<ユーロ圏債券> 米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の決定会
合が注目される中、国債利回りが上昇した。
FRBはこの日までの2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を実施。0.
50%の利上げを決定すると予想されている。今週はECBとイングランド銀行(英中央
銀行)も政策会合を実施。市場では、インフレがピークを付けた兆候が出ていることを受
け、利上げ幅は縮小していくとの見方が出ている。
こうした中、関係筋の話で、ECBがユーロ圏のインフレ率が今後3年間、目標の2
%を上回ると予想していることが判明。2024年のインフレ率は2%を大幅に上回り、
25年も2%強になると予想されている。市場の予想よりも高水準で、インフレへの取り
組みがまだ当面終わらないことを示された。
シティのアナリストは「インフレ率が24年と25年もECBの目標を上回るとの予
想は、政策金利が市場予想を上回る水準に引き上げられなくてはならないことを示してい
る」と述べた。
終盤の取引で独10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇の1
.93%。一時は1.995%と、11月28日以来の高水準を付けた。
周辺国国債は独連邦債をアンダーパフォームし、イタリア10年債は6
bp上昇の3.86%。独10年債との利回り格差は、イタリア10年債
が190bpに拡大。スペイン10年債とポルトガル10年債
もそれぞれ約2bp拡大した。
ユーロ圏のインフレ率は11月に緩和したものの、基調的な物価上昇率はまだ根強い
。INGのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「総合インフレ率がす
でにピークを付けたのか、まだこれからなのかは分からない」とし、「エネルギー価格は
低下したものの、再度上向く可能性もある」と述べた。
ECBは15日の理事会で0.50%ポイントの利上げを決定する見通し。この幅で
の利上げが決定されれば、年初からの合計の利上げ幅は2.5%ポイントに達する。
ユーロ圏金融・債券市場:
<為替> 欧州終盤 アジア市場 コード
終盤
ユーロ/ドル 1.0652 1.0628
ドル/円 134.96 135.46 ユーロ/円 143.77 144.01 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 442.51 -0.09 -0.02 442.60
FTSEユーロファース 1746.99 +0.55 +0.03 1746.44
ト300種
ユーロSTOXX50種 3975.26 -11.57 -0.29 3986.83
FTSE100種 7495.93 -6.96 -0.09 7502.89
クセトラDAX 14460.20 -37.69 -0.26 14497.89
CAC40種 6730.79 -14.19 -0.21 6744.98
<金現物> 午後 コード
値決め 1823.55 <GOLD/EU1
> <金利・債券>
米東部時間13時13分
*先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
3カ月物ユーロ 97.86 -0.01 97.87
独連邦債2年物 106.58 +0.01 106.57
独連邦債5年物 119.12 -0.02 119.14
独連邦債10年物 140.45 -0.39 140.84
独連邦債30年物 157.10 -3.30 160.40
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債2年物 2.148 -0.009 2.134
独連邦債5年物 1.947 -0.001 1.923
独連邦債10年物 1.952 +0.035 1.901
独連邦債30年物 1.780 +0.115 1.654
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