[15日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。銀行株 と鉱業株が売られたのが相場の足を引っ張った。堅調な英雇用統計を受け、イングランド 銀行(英中央銀行)が今週後半に政策金利を引き上げるとの見方も強まった。 中型株で構成するFTSE250種指数は1.04%下げた。 中国での新型コロナウイルス感染再拡大の影響が懸念されて金属価格が値下がりした ことを背景に、FTSE350種鉱業株指数は2.40%下落した。 英国の2021年11月─22年1月の失業率は、新型コロナウイルスのパンデミッ ク(世界的大流行)開始前の水準を下回り、賃金上昇率は予想を上回った。 RBCのアナリストは投資家向けのメモで「今日の統計に見られる名目賃金の緩やか な一段の伸びに加え、今後のさらなる引き締めを示す主要な経済指標が、金融政策委員会 (MPC)による金融引き締め「前倒し」政策の継続をさらに正当化する可能性がある」 と述べた。 短期金融市場は、英中銀が17日に政策金利を25ペーシスポイント引き上げること を完全に織り込んでいる。ロシアのウクライナ侵攻によってさらに加速したインフレを抑 制するため、3会合連続で利上げを決めることになる。 銀行株指数は通常利上げの恩恵を受けやすいが、この日は1.82% 下げた。 スイスクオートのシニアアナリスト、イペック・オスカルデスカヤ氏は「金融株の上 昇を期待するかもしれないが、今は戦争や世界金融の安定に関して他の多くの不確実性が ある」と指摘した。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 反落して取引を終えた。中国での新型コロナウイルス新規感染者 数急増への懸念が売りを誘った。米連邦準備理事会(FRB)が16日に政策金利の引き 上げを発表することが広く予想されているのを控えて投資家が神経をとがらせ、商品関連 部門が下落を主導した。 STOXX欧州600種資源株指数が2.09%、石油・ガス株指数 は0.10%それぞれ下落した。原油価格が7%超下げたことや、主要消費国である中国 でのコロナ感染拡大に伴う需要に対する懸念から工業用金属が下落したのが背景にある。 UBSの欧州株式ストラテジスト、ニック・ネルソン氏は「基礎素材や鉱業・金属、 住宅建設、高級品銘柄など、中国との関わりが大きい部門の動きは、中国の一部地域で実 施された規制が一因になっている」とし、「経済成長への影響や中国に販売する欧州企業 の需要という点で、市場にとってもう一つ心配な点だ」と述べた。 中国で多くの売り上げを稼ぎ出しているフランスの高級ブランドLVMH(モエ・ヘ ネシー・ルイ・ヴィトン)は1.5%下落し、相場の足かせとなった。 中国のテクノロジー株安が続く中、中国インターネットサービス、騰訊控股(テンセ ント・ホールディングス)の株を保有するオランダのハイテク投資会社プロサ スは6.6%下落した。 FRBが16日に25ベーシスポイントの引き上げを発表し、利上げを始めるとの見 方が強い。インフレが高進している中で、米金利がどこまで上昇するかを市場参加者は注 視している。 イングランド銀行(英中央銀行)も17日に政策金利の引き上げを決める見通しだ。 調査によると、ウクライナでの戦争とロシアへの経済制裁によってドイツの投資家心 理は3月に記録的に落ち込んだ。欧州最大の経済国であるドイツが景気後退(リセッショ ン)に陥る可能性が「ますます高く」なっているとの見方が示された。 キャピタル・エコノミクスの欧州担当エコノミスト、ジェシカ・ハインズ氏は「欧州 経済センター(ZEW)が本日発表した3月のユーロ圏景気期待指数の記録的な低下は、 ウクライナでの戦争がいかに投資家を不安にしているかを浮き彫りにした」と指摘した。 ただ、ハインズ氏はこの調査とGDP成長率の関係が密接でないことを踏まえ、現段階で の景気後退は可能性が低いとの見解を示した。 タバコ製品メーカーのスウェディッシュ・マッチは4.2%下落。米国の 葉巻事業を分離し、上場する計画の一時停止を決定したと発表したのが嫌気された。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 国債利回りが低下した。ユーロ圏の10年債利回りはこのところ 2018年終盤以来の水準に上昇していたが、米連邦準備理事会(FRB)がこの日から 2日間の日程で開始した連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとの見方が 広まる中、ユーロ圏債券市場は落ち着きを取り戻している。 前日の取引では、ロシアとウクライナの停戦協議の進展に対する期待のほか、インフ レ高進で世界の主要中央銀行は積極的な対応を迫られるとの見方から国債が売られ、ドイ ツ、フランス、オランダの10年債利回りは10ベーシスポイント(bp)上昇した。 この日は安定を取り戻し、独10年債利回りは3bp低下。大部分のユ ーロ圏の10年債利回りは3─4bp低下している。 独欧州経済センター(ZEW)がこの日に発表した3月のドイツ景気期待指数はマイ ナス39.3と、調査開始以来、最大の低下を記録。 ただ、状況が大幅に悪化しない限りドイツはリセッション(景気後退)に陥らないと の見方から、市場の反応は軽微。ベレンバーグのエコノミスト、サロモン・フィードラー 氏は「指数の急落で景気後退リスクが示唆されたが、今回は景気後退に陥らない」と予想 。「先行き不透明感は向こう2カ月以内に薄れ、指数は再び上昇する」との見方を示した 。 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はこの日、ウクライナでの戦争を受けた商品 価格の上昇が経済の重しになったとしても、ユーロ圏経済は今年は堅調に成長するとの見 方を表明。ECBは10日に開いた理事会で、資産買い入れ策を第3・四半期に終了する 方針を示し、量的緩和策の縮小を加速し、利上げに向けた地合いを整えている。[nL3N2VI 3V8] ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.0950 1.1005 ドル/円 118.31 117.97 ユーロ/円 129.56 129.81 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 435.12 -1.23 -0.28 436.35 FTSEユーロファース 1702.55 -2.73 -0.16 1705.28 ト300種 ユーロSTOXX50種 3738.11 -2.99 -0.08 3741.10 FTSE100種 7175.70 -17.77 -0.25 7193.47 クセトラDAX 13917.27 -11.84 -0.09 13929.11 CAC40種 6355.00 -14.94 -0.23 6369.94 <金現物> 午後 コード 値決め 1954.05 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間14時41分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.43 +0.01 100.42 独連邦債2年物 111.47 +0.18 111.29 独連邦債5年物 131.11 +0.52 130.59 独連邦債10年物 161.97 +0.76 161.21 独連邦債30年物 191.66 +1.12 190.54 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.419 -0.079 -0.333 独連邦債5年物 0.022 -0.074 0.025 独連邦債10年物 0.329 -0.041 0.374 独連邦債30年物 0.543 -0.023 0.558
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