[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。鉱 業株の下落が重しとなり、シクリカル(景気循環)銘柄やエネルギー株の上昇を打ち消し た。 生活必需品のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)、酒造大手の ディアジオ、英日用品のユニリーバは0.9─1.3%上昇。石油大手 のシェル、BPはそれぞれ0.6%、0.5%上げた。 一方、FTSE350種鉱業株指数は5.14%下げた。下落率が大 きかったのは英資源大手アングロ・アメリカンで8.8%安。インフレの影響で 生産見通しを引き下げたことが嫌気された。 豪資源大手BHPグループは2.5%下落。新型コロナウイルスの感染拡大 防止措置に伴う人員不足で、1─3月期の鉄鉱石生産量が予想を下回ったと発表したこと から売られた。 チリ産銅大手アントファガスタは7.1%安。干ばつの継続や品質低下で第 1・四半期の銅生産量が前年比24%減の13万8800トンに落ち込んだのが嫌気され た。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.36%高。米ユナイテッド航 空が明るい業績見通しを示したことを手掛かりに、欧州格安航空会社(LCC)のウィズ エアー、イージージェットがそれぞれ4.4%、4.9%上げた。 れんが・コンクリート製品メーカーのイブストックは8.8%と大幅上昇。 通期業績が当初の予想を上回るとの見通しを示したことが好感された。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 続伸して取引を終えた。好調な決算発表が材料視された。 フランスのCAC40指数は1.36%上昇して約3週間ぶりの高値を記録 。フランス大統領選の決選投票を24日に控え、現職のマクロン候補が極右のルペン候補 に世論調査で支持率でリードしたのが好感された。 テレビ討論会後にマクロン氏が大統領にふさわしいと判断されたことがBFMテレビ 向けのエラブ世論調査の結果で示された。 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのユーロ圏・英国担当チーフエコノミス ト、ディーン・ターナー氏は「マクロン氏が勝利すれば、フランスの(株価などの)資産 や単一通貨ユーロが小幅に上昇する可能性がある。ルペン氏が勝利すると、もっと大きな 影響が出る可能性がある。ルペン氏の国内での政策余地は限られそうなので、欧州連合( EU)の政策が主な懸念事項となる」との見方を示した。 スイス食品大手ネスレは0.7%高。スイス重電大手ABBは4. 9%高。いずれも発表した決算が好調だったのが材料視された。 フランスの高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は 1.7%上昇。ベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)が今年の見通しは「今の ところ良い」と発言したのが好感された。 STOXX欧州600種銀行株指数は週間ベースでこれまでに3.24%上 昇。欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が銀行株を押し上げている。 ECBのデギンドス副総裁は、資産購入プログラムを7月に終了すべきで、7月か9 月、またはそれ以降の利上げが可能と発言した。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> ドイツ2年債利回りが8年ぶりの高水準を付けた。欧州中央銀行 (ECB)のデギンドス副総裁が資産購入プログラム(APP)を7月に終了し、近く利 上げを実施するとの見通しを示したことを受けた。 フランスとイタリアの2年債利回りはそれぞれ12ベーシスポイント(bp)、9b p上昇。イタリア10年債利回りは2020年3月以来の高水準を付けた。 短期金融市場ではECBが年末までに合計75bp以上の利上げを実施するとの見方 が織り込まれている。 デギンドス副総裁は21日に公表されたブルームバーグとのインタビューで「私見で は(APPを)7月に終了すべきだ」とした上で、「現時点では7月(の利上げ)が可能 だ。9月、それ以降(の利上げ)も可能だ」と述べた。 ECB理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は政策金利が年内にプラスに転 じる可能性があると述べた。ブルームバーグが21日に報じた。 RBCキャピタル・マーケッツのグローバル・マクロ・ストラテジ スト、ピーター・シャフリック氏は「ここ2日間は典型的なタカ派が発言していたが、き ょうはデギンドス氏のような中道派からの意見が聞かれた」と指摘。「タカ派はECB理 事会の感触を的確に捉えており、これが債券売りにつながっている」と述べた。 ドイツ2年債利回りは一時0.186%と2014年初以来の高水準を付 けた。 ドイツ10年債利回りも直近で付けた数年ぶりの高水準に向かい、6. 5bp上昇の0.93%となった。今月に入り約38bp上昇している。5カ月連続で上 昇する勢い。 イタリア10年債利回りは2.6%まで上昇し、20年3月以来の高水 準を付けた。 5年後から5年間のユーロ圏の期待インフレ率を反映するブレークイーブン・インフ レ率(フォワードBEI)は一時2.47%まで上昇。ECBのデータで は過去10年間で最高水準となっている。 一方、フランスとドイツの10年債利回り格差は約44bpと2週間 超ぶりの低水準。フランス大統領選の決選投票を24日に控える中、現職で再選を目指す マクロン大統領と、極右のマリーヌ・ルペン氏は20日のテレビ討論会で経済や外交など の重要問題に関する意見を激しくぶつけ合った。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.0840 1.0926 ドル/円 128.58 128.01 ユーロ/円 139.41 139.87 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 461.57 +1.47 +0.32 460.10 FTSEユーロファースト 1803.69 +3.22 +0.18 1800.47 300種 ユーロSTOXX50種 3928.03 +31.22 +0.80 3896.81 FTSE100種 7627.95 -1.27 -0.02 7629.22 クセトラDAX 14502.41 +140.38 +0.98 14362.03 CAC40種 6715.10 +90.19 +1.36 6624.91 <金現物> 午後 コード 値決め 1943.7 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時57分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.39 -0.03 100.42 独連邦債2年物 110.31 -0.25 110.56 独連邦債5年物 127.15 -0.52 127.67 独連邦債10年物 153.80 -0.81 154.61 独連邦債30年物 172.40 -1.42 173.82 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 0.190 +0.142 0.055 独連邦債5年物 0.698 +0.109 0.595 独連邦債10年物 0.948 +0.082 0.865 独連邦債30年物 1.064 +0.060 1.007
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