[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。鉱業株 や銀行株の下落が相場の足を引っ張ったほか、低調な英小売売上高や利上げ観測も投資家 心理の悪化につながった。 金融大手HSBC、ロイズはそれぞれ1.0%、2.3%下落。資 源大手のリオ・ティント、アングロ・アメリカン、BHPグループ<BHPB. L>は2.2─3.2%値下がりした。 BHPグループは、ロンドンとシドニーの株主が重複上場を解消し、シドニーに一本 化する計画を承認したことが嫌気された。リオ・ティントは、セルビアが環境への懸念を 理由に同社との24億ドルのリチウム事業から手を引いたことが売り材料だった。 英国の昨年12月の小売売上高が前月比3.7%減少したことを受け、FTSE35 0種小売株指数は1.60%下げた。 ロイターの調査によると、インフレ率が目標を大幅に上回っていることから、イング ランド銀行(英中央銀行)が2月に金融引き締めを押し進めるとの懸念も強まっている。 英中銀の金融政策委員会のマン委員は、英中銀はインフレ圧力に対応し、インフレ期 待が中期的な賃金や価格決定に定着することを阻止する必要があると述べた。 中型株で構成するFTSE250種指数は1.99%安。オンラインカジノ 向けゲームソフト会社プレイテックが20.7%と大幅下落した。JKOプレイ が買収提案を取り下げたと伝わったことが嫌気された。 FTSE100種は週間ベースで0.65%下がり、5週ぶりに下落。時価 総額の大きい英日用品のユニリーバや銀行株の売りが重しとなった。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 反落して取引を終えた。中央銀行が年内に金融引き締めを進める 見通しに加え、軟調な経済指標が世界的な株安をもたらす中で、資源株などが下落した。 STOXX欧州600種指数は週間ベースで1.40%下落し、3週連続で 下がった。 資源株指数の下落が目立ち、前日より3.40%下がった。オーストラリア の資源大手のリオ・ティントが2.2%下落。環境への懸念からセルビアがリチ ウムの開発許可を取り消し、欧州最大のリチウム供給企業に向けた野心的な目標に打撃を 与えたことが嫌気された。 投資家は米連邦準備理事会(FRB)が来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)に 注目している。 OANDAのシニア市場アナリストのクレイグ・アーラム氏は「市場にはFRBに対 する不安が根底にあり『2022年の利上げが4、5、6回になる』や『3月に政策金利 を0.50%ポイント引き上げる』など多くの臆測が飛び交っている」と指摘。「欧州も 新型コロナウイルスのオミクロン変異株と、エネルギー危機という独自の課題に直面して いる」とし、欧州中央銀行(ECB)による金融引き締めの可能性を市場が織り込み始め ていると言及した。 このような懸念を裏付けるように、ECBの政策立案者は先月の会議でインフレ率が 「簡単に」目標を上回ったまま抜け出せなくなる可能性があるだけに、金融引き締めの扉 を開けておくべきだと発言していた。 ユーロ圏の昨年12月の消費者物価指数は過去最高のペースで上昇。エネルギー価格 の高騰とサプライチェーン(供給網)のボトルネックの問題が全体を押し上げた。 ドイツのエネルギー技術を手掛けるシーメンス・エナジー は16.6% の急落。業績予想を下方修正したことが嫌気された。風力発電部門であるスペインのシー メンス・ガメサでの供給網問題の長期化が警戒されているのが要因。シーメンス・ガメサ も14.0%下落した。 自動車・部品株指数は週間ベースで3.93%下落した。供給網の混乱に対 する懸念が同様に重しとなった。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> ロシアとウクライナを巡る地政学リスクで安全資産としての国債 の需要が増大する中、欧州中央銀行(ECB)からのシグナルがまちまちとなったことを 受け、国債利回りが低下した。 ECBが20日に公表した2021年12月16日の理事会の議事要旨で、金融政策 引き締めに向けた門戸を開いておくべきと一部の政策当局者が主張していたことが分かっ た。ユーロ圏のインフレ率は目標を「容易に」上回って推移する可能性があるためという 。 一方、ラガルドECB総裁はこの日、世界経済フォーラム(WEF)の討論会で、2 2年にはエネルギー価格が安定する見込みであり、物価を押し上げている産業界のボトル ネックも緩和されると予想。欧州が米国のようなインフレに直面する可能性は低いとの見 解を示した。 ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相はこの日、ウクライナ情勢を巡りスイ スのジュネーブで会談し、大きな突破口は見いだせなかったものの、米国はロシアが求め ている安全保障について来週回答する方針を示し、両国は軍事紛争に発展する恐れのある 危機解決に向け協議を継続する方向で一致した。 INGのアナリストは「ロシアとウクライナを巡る緊張に緩和の兆しが見られない中 、安全資産に対する需要は当面続く」としている。 終盤の取引で独10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下。一時はマイナス 0.087%、と、1週間ぶりの低水準を付けた。19日にはプラス0.025%と、1 9年5月以来の高水準を付けていた。 短期金融市場では、ECBが9月に10bpの利上げを実施し、12月に再度10b pの利上げを実施する確率が約80%であることが織り込まれている。ただ、ピクテット ・アセット・マネジメントのシニア投資マネジャー、ファビオ・カスタルディ氏は「EC Bが年内に利上げに踏み切る公算は小さい。短期金融市場ではインフレリスクに対する保 険をかけるような動きが出ている」との見方を示した。 イタリア10年債利回りは3bp低下の1.34%。イタリアとドイツ の10年債利回り格差は141bp。 カスタルディ氏は「ECBが金融刺 激策を縮小しているため、利回り格差は120bp以上に拡大しない」としている。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.1345 1.1328 ドル/円 113.73 113.85 ユーロ/円 129.03 128.98 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 474.44 -8.91 -1.84 483.35 FTSEユーロファース 1849.43 -33.33 -1.77 1882.76 ト300種 ユーロSTOXX50種 4229.56 -70.05 -1.63 4299.61 FTSE100種 7494.13 -90.88 -1.20 7585.01 クセトラDAX 15603.88 -308.45 -1.94 15912.33 CAC40種 7068.59 -125.57 -1.75 7194.16 <金現物> 午後 コード 値決め 1845.35 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時30分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.55 0.00 100.55 独連邦債2年物 112.04 +0.07 111.97 独連邦債5年物 132.88 +0.22 132.66 独連邦債10年物 170.29 +0.55 169.74 独連邦債30年物 205.56 +1.62 203.94 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.625 -0.034 -0.578 独連邦債5年物 -0.385 -0.033 -0.349 独連邦債10年物 -0.063 -0.036 -0.029 独連邦債30年物 0.230 -0.037 0.268
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