[28日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引 を終えた。西側諸国による厳しい対ロシア追加制裁が相場を圧迫した。 石油大手のBPは4.0%下落。ロシアによるウクライナ侵 攻を受けて、保有するロシアの石油大手ロスネフチの株式20%弱を全 て売却し、ロシアからの事業撤退を決めたことが要因。 エクイティ・キャピタルの首席マクロエコノミスト、スチュアート ・コール氏は「BPの撤退決定で、ロシア企業は西側諸国との提携やパ ートナーシップに関してますます孤立することに気づき、全体的に投資 家心理がさらに悪化した」と述べた。 ウクライナ大統領府のポドリャク顧問の話としてロシア通信(RI A)が伝えたところによると、ロシアとウクライナの停戦交渉が28日 終了し、双方の当局者が結果を持ち帰って協議した後、2回目の交渉に 臨む見通しという。FTSE100種は一時1.71%まで値 下がりしたが、その後は下げ幅を縮小した。 ロシアで事業を展開する鉱山大手のペトロパブロフスク、 エブラズ、ポリメタル・インターナショナルは15 .7─56.0%下落。ロンドン市場に上場しているロシアのズベルバ ンクの預託証券、ロシアの国営天然ガス会社ガスプロム<GAZ Pq.L>はそれぞれ74.0%、52.5%下げた。 FTSE350種銀行株指数は3.69%安。ロシ アの一部銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワ ークから排除するなど、西側諸国によるロシアの金融システムに対する 制裁の影響を見極めたいとの思惑から欧州市場で銀行株が下落した流れ を引き継いだ。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 反落して取引を終えた。ユーロ圏の銀行株が低 迷し、ロシアに対する新たな厳しい制裁の影響が警戒された。ただ、ロ シアとウクライナの停戦交渉を受けて下落幅は縮小した。 STOXX欧州600種指数は一時1.88%下落。その 後、ディフェンシブやテクノロジー銘柄が買われたことで下げ幅は縮小 した。 ロシア通信(RIA)によると、ロシア・ウクライナの停戦交渉が 28日に終了した。双方の当局者が課題を持ち帰ってさらに協議した後 で第2回交渉に臨む見通し。 ウクライナへの侵攻を巡って市場は大きく揺れた。ロシアの大手銀 行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協 会)から排除するなど、西側諸国は対ロ制裁を発動、ロシアは核抑止を 厳戒態勢に置いた。 オンライン取引プラットフォーム、IGのチーフマーケットアナリ スト、クリス・ボーシャン氏は「ロシアとウクライナの停戦交渉に明ら かな進展がなくても、一段の売りは誘発していない」と指摘し、「紛争 の大きなエスカレーションがあれば、さらなる下落の引き金となるかも しれない」と述べた。 事業でいずれもロシアと関連があるオーストリアの銀行ライファイ ゼン・バンク・インターナショナル、イタリアの銀行大手ウ ニクレディト、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラル(ソジ ェン)はそれぞれ14.0%、9.5%、9.9%下落。ユ ーロ圏銀行株指数は5.66%下落した。 ロシア最大の外国投資企業である英石油大手BP は4.0 %下落。保有するロシアの石油大手ロスネフチの株式を売却 (最大250億ドル相当)するとの発表が嫌気された。 ドイツの防衛機器大手ラインメタルは24.8%と急騰。ド イツのショルツ首相が国防費を国内総生産(GDP)比で2%超へと大 幅に引き上げる方針を表明したことが材料視された。 フランスの防衛・電子機器大手タレス、イタリアの航空 防衛大手レオナルド、英防衛大手BAEシステムズ はそれぞれ11.9%、15.1%、10.2%上昇した。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 国債利回りが低下した。ロシアによるウクライ ナ侵攻を受けて投資家は安全資産への逃避買いを進める一方、欧州中央 銀行(ECB)がどの程度早期に緩和縮小に踏み切るかを見極めようと している。 終盤のドイツ10年債利回りは6.5ベーシスポイン ト(bp)低下の0.159%だった。 一方、短期債利回りは2桁の低下を記録。2年債は12.5bp、 5年債は11.9bp低下した。 一部アナリストは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてECBが 緩和縮小を後ずれさせるとの見方を示しているが、市場で強いコンセン サスを得るまでには至っていない。 ウニクレディトのアナリストは「現時点ではその可能性は低いと思 われる。ユーロ圏のGDP成長率は堅調と予想され、2月のインフレ率 は6%付近まで加速した可能性が高く、リスクはまだ上向きだ」と述べ た。 市場は現在、ECBの利上げ幅は年末までに33bp相当と予想し ている。先週末は35bp前後、24日にロシアがウクライナ侵攻に及 ぶ数日前には41bpだった。また、7月に10bpの利上げが実施さ れる確率を70%強織り込んでいる。 イタリアの10年債利回りは7.7bp低下し1.7 65%。ドイツとイタリアの10年債利回り格差は15 9.9bpだった。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.1223 1.1188 ドル/円 115.11 115.50 ユーロ/円 129.20 129.22 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 453.11 -0.42 -0.09 453.53 FTSEユーロファース 1771.61 -3.65 -0.21 1775.26 ト300種 ユーロSTOXX50種 3924.23 -46.46 -1.17 3970.69 FTSE100種 7458.25 -31.21 -0.42 7489.46 クセトラDAX 14461.02 -106.21 -0.73 14567.23 CAC40種 6658.83 -93.60 -1.39 6752.43 <金現物> 午後 コード 値決め 1909.85 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時56分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.51 0.00 100.51 独連邦債2年物 111.99 +0.23 111.76 独連邦債5年物 131.86 +0.74 131.12 独連邦債10年物 167.04 +0.89 166.15 独連邦債30年物 197.78 +1.58 196.20 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.584 -0.147 -0.380 独連邦債5年物 -0.209 -0.148 -0.080 独連邦債10年物 0.109 -0.079 0.218 独連邦債30年物 0.410 -0.053 0.467
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