[3日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 大幅反落して取引を終えた。原油 価格が不安定な値動きとなったことで、時価総額の大きい石油株が急落した。投資家はウ クライナ危機の影響も懸念している。 イラン核合意の再建に向けた協議が妥結すれば供給拡大の可能性があるとの警戒感か ら、原油価格が値下がりした。石油大手のシェル、BPはそれぞれ5.7 %、4.3%下落した。 ロシアで事業を展開する鉱山大手のポリメタル・インターナショナルは4 2.1%と急落した。 配当落ちした銘柄が売られたことも相場を圧迫した。優良株では動物用医薬品のデク ラ・ファーマシューティカルズ、英銀大手のバークレイズ、金融サービ スのハーグリーブス・ランズダウンが2.6─6.6%下落。中型株では動物遺 伝学研究開発大手のジーナス、人材紹介会社のヘイズ、資産運用会社ア シュモア・グループが3.3─7.8%下げた。 中型株で構成するFTSE250種指数は3.35%安。 一方、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)が9.6%上昇し、相場を 下支えした。LSEGは前向きな決算を報告したことに加え、ウクライナへ侵攻したロシ アに対する金融制裁が事業に及ぼす影響は小幅にとどまるとの見方を示したのが買い材料 になった。 FTSE100種は今年に入ってから1.97%下げている。供給不安を背 景とした石油と金属価格の値上がりで商品株が急上昇していることが支えとなり、欧州の STOXX欧州600種指数や米国のS&P500種より下落率は小さい 。 ただ、ロシアとウクライナの紛争激化によるエネルギー価格高騰への懸念と政策金利 の引き上げが相まって、経済成長への不安が高まっている。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 大幅反落して取引を終えた。ロシアへの制裁強化の影響に対する 懸念が投資家心理を悪化させ、商品価格が引き続き上がったことによる資源株上昇の効果 は限られた。 STOXX欧州600種旅行・娯楽関連株指数、小売株指数がそれぞ れ4.63%、4.60%下落し、相場全体を押し下げた。 ウクライナ侵攻によるロシアへの制裁が供給を圧迫するとの懸念から卑金属価格が最 高値を更新。資源株指数が0.55%上昇し、2008年以来、約14年ぶりの 高値を付けた。 ロシアのウクライナ侵攻による影響がインフレを高進させ、経済成長を鈍化させると いう懸念は欧州で特に高まった。ロシアのガス供給に依存する国が複数あるためだ。 フェデレーテッド・エルメスの欧州株式担当ポートフォリオマネジャー、チー・チャ ン氏は「紛争に最も近い地域の欧州は市場心理の点から最も神経質になっている。われわ れは成長ショックの可能性が高まったと見ている」と言及。「商品価格の高騰は実質所得 を圧迫するので、消費者心理にマイナスの影響を与える」と指摘した。 原油価格が急騰後に不安定な値動きとなり、石油・ガス株指数は3.78% 下落。2日は約2年ぶりの高値を付けていた。 3日のドイツのDAX指数は2.16%下落し、1年超ぶりの安値。スペイ ンのIBEX指数は3.72%安となり、公益事業株の下落が押し下げた。 ロンドン証券取引所グループ(LSEG)は9.6%上昇。ロシアへの金融 制裁による事業への影響は小さいと表明したことが材料視された。 ドイツの航空大手ルフトハンザは8.2%下落。ウクライナ戦争と新型コ ロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のため、2022年の詳細な業績見通しを 示すことができないと発表したのが嫌気された。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 欧州中央銀行(ECB)による利上げ見通しが再び強まる中、ド イツ債利回りが一時上昇後に安定的に推移した。 金融市場が織り込む、ECBが年末までに実施する利上げ幅は前日の20ベーシスポ イント(bp)から30bpに上昇。ECBがインフレ抑制に向けて措置を取る必要があ るとの見方が広がっている。 ECB理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中央銀行)総裁は2日、ドイツの今年 のインフレ率は最近上方修正した予想よりもさらに高くなる公算が大きいと指摘し、EC Bは金融政策の正常化に重点を置く方針を維持すべきとの見解を示した。 ドイツ10年債利回りは一時0.077%まで上昇。終盤は横ばいの0 .014%だったが、前日に付けた6週間ぶりの低水準をなお上回っている。 UBSの債券ストラテジスト、ロハン・カンナ氏は「利回りの動きは現在、ウクライ ナで何が起きているか、中銀がどう対応するかにかかっている」と述べた。 一方、ECBのレーン専務理事兼チーフエコノミストは2日、エネルギーなどの供給 における「ショック」によって引き起こされている現在のインフレ高進について、ECB は忍耐強く対応し、大目に見るべきと述べた。 ドイツの10年物インフレ連動債利回りは4bp上昇のマイナス2.1 33%。前日にはマイナス2.239%と過去最低を付けていた。 イタリア10年債利回りはほぼ変わらずの1.5860%。ドイツ10 年債利回りとの差は156.7bpに拡大した。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.1052 1.1096 ドル/円 115.66 115.72 ユーロ/円 127.84 128.41 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 437.36 -8.97 -2.01 446.33 FTSEユーロファース 1713.80 -33.10 -1.89 1746.90 ト300種 ユーロSTOXX50種 3741.78 -78.81 -2.06 3820.59 FTSE100種 7238.85 -190.71 -2.57 7429.56 クセトラDAX 13698.40 -301.71 -2.16 14000.11 CAC40種 6378.37 -119.65 -1.84 6498.02 <金現物> 午後 コード 値決め 1929.6 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時54分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.51 -0.01 100.52 独連邦債2年物 112.20 +0.07 112.13 独連邦債5年物 132.73 +0.05 132.68 独連邦債10年物 169.20 -0.18 169.38 独連邦債30年物 203.24 -0.06 203.30 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.588 -0.009 -0.612 独連邦債5年物 -0.247 -0.015 -0.333 独連邦債10年物 0.039 -0.002 0.019 独連邦債30年物 0.313 -0.011 0.301
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