[5日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 上昇して取引を終えた。中国 の新型コロナウイルス規制緩和を背景に鉱業株が買われたのが相場をけん引した。ただ、 欧州経済の減速懸念が重しとなって上値は抑えられた。 金属価格の値上がりを受けてFTSE350種鉱業株指数は1.07 %高。 HYCMのチーフ市場アナリスト、ジャイルズ・コグラン氏は「中国の経済再開説に 対するやや楽観的な見方が出ている。中国が新型コロナの警戒レベルを引き下げる可能性 があるとの報道もあり、市場を押し上げている」と述べた。 ただ、S&Pグローバルが発表したユーロ圏の11月の総合購買担当者景気指数(P MI)が5カ月連続で好不況の分かれ目の50を下回り、ユーロ圏経済が緩やかな景気後 退に陥っていることを示唆。これを受けてSTOXX欧州600種指数は0.4 1%下げた。 また、英国のサービス部門の11月のPMIは、景気が2カ月連続でやや縮小したこ とを示した。家計に対する生活費の締め付けと、企業の経済見通しに対する不確実性が需 要を圧迫している。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.17%下落した。総合不動産 サービス会社サヴィルズは9.4%安。ピール・ハントによる投資判断の引き下 げが嫌気された。 米経済の冷え込みの兆候が見られる中で米連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅縮小 に移行するとの期待感が広がり、FTSE100種指数とFTSE250種指数 は10月の安値から急回復している。 イングランド銀行(英中央銀行)も来週の会合で、50ベーシスポイント(bp)の 利上げを決めると予想されている ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 続落して取引を終えた。ユーロ圏企業活動の低下を示す経済指標 が景気後退懸念を高め、売りが優勢となった。ただ、中国の厳しい新型コロナウイルス規 制の緩和への期待が資源株や中国関連銘柄を押し上げ、下げ幅は限られた。 ユーロ圏の11月の総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は5カ月連続で50を 下回り、緩やかな景気後退に陥っていることを示唆した。 AJベルの金融アナリスト、ダニー・ヒューソン氏は「明らかにユーロ圏の活動が少 し縮小し、欧州が浅い景気後退の入り口にあるように見えるにもかかわらず、欧州中央銀 行(ECB)は依然、かなり強くなければならない」との見方を示した。 金利に敏感なSTOXX欧州600種テクノロジー株指数が0.51%下げ た。 日用品・家庭用品株指数は0.66%安。スイス食品大手ネスレが 1.5%、フランスの化粧品メーカー、ロレアルが1.1%それぞれ下げた。 一方、資源株指数は0.63%上昇。主要消費国である中国で、新型コロナ 規制を巡る抗議行動を受けて規制緩和がさらに広がるとの期待から、卑金属と貴金属の価 格が上昇したのが好感された。 個別銘柄では、英携帯電話サービス大手のボーダフォンが0.1%安。ニッ ク・リード最高経営責任者(CEO)が今年末で辞任すると発表したのが嫌気された。 スイスの金融大手クレディ・スイスは2.9%上げた。新設する投資銀行部 門にサウジアラビアの皇太子や、英バークレイズの元CEOが率いる米プライベートエク イティなどが投資に関心を示しているとの米紙ウォール・ストリート・ジャーナル報道が 材料視された。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 域内国債利回りが小幅に上昇した。欧州中央銀行(ECB)によ る利上げペース鈍化に対する期待感と堅調な米経済指標を受けたインフレ懸念とが拮抗し た。 ドイツ10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)上昇の1.877 %。序盤の低下から切り返した。 短期金融市場では12月15日のECB理事会で約0.50%ポイントの利上げが決 定されると見込まれている。 米労働省が2日発表した11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は26万3 000人増で予想を上回ったほか、賃金の伸びも加速した。 また、米供給管理協会(ISM)が5日発表した11月の非製造業総合指数(NMI )は56.5と、予想外に上昇した。内訳の雇用も改善し、来年に景気後退が懸念される 中でも米経済の基調的な勢いを示した。 一方、ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は4日、ECBは15日 の理事会で政策金利を50bp引き上げるべきとの見解を示した。 ECB理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中央銀行総裁は5日、今月の理事 会で50bp利上げをするとの公算を示し、政策金利が来年「制約的領域」に到達する必 要があるかもしれないと述べた。 ビルロワドガロー仏中銀総裁とナーゲル独連銀総裁がドイツテレビの共同インタビュ ーで、ECBは「2024年か25年の終わりまでにインフレ率を2%に回帰させる」こ とを決意していると述べたことも注目された。 調査会社のセンティックスが5日発表した12月のユーロ圏投資家センチメント指数 はマイナス21.0と、6月以来の高水準となった。 野村証券のエコノミスト、ジョージ・モラン氏は「リセッション(景気後退)入りを 懸念する一部のハト派のECBメンバーにとって、センティックスのデータは0.75% ポイントの利上げに投票する安心材料になるかもしれない」とした。 フランス10年債利回りは1bp上昇の2.32%。格付け会社S&Pグローバルが 、フランスのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたが影響 は限定的だった。 ドイツ2・10年債の利回り格差はマイナス27.5bp。 イタリア10年債利回りは2bp低下の3.75%。独伊10年債の利 回り格差は186bpに拡大した。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.0491 1.0537 ドル/円 136.55 135.15 ユーロ/円 143.27 142.42 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 441.47 -1.82 -0.41 443.29 FTSEユーロファース 1743.77 -8.22 -0.47 1751.99 ト300種 ユーロSTOXX50種 3956.53 -21.37 -0.54 3977.90 FTSE100種 7567.54 +11.31 +0.15 7556.23 クセトラDAX 14447.61 -81.78 -0.56 14529.39 CAC40種 6696.96 -45.29 -0.67 6742.25 <金現物> 午後 コード 値決め 1784.75 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時33分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 97.87 +0.02 97.85 独連邦債2年物 106.90 +0.01 106.89 独連邦債5年物 120.44 -0.07 120.51 独連邦債10年物 141.77 -0.12 141.89 独連邦債30年物 162.90 +0.62 162.28 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 2.135 +0.019 2.109 独連邦債5年物 1.896 +0.018 1.874 独連邦債10年物 1.888 +0.020 1.866 独連邦債30年物 1.606 -0.014 1.632
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