[ 7日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。鉱業株
や銀行株が上昇し、相場全体を押し上げた。
FTSE100種の上昇率は、約2週間ぶりの大きさだった。英資源大手ア
ングロ・アメリカンとリオ・ティントが好調で、それぞれ5.2%と3.
5%上げた。金属価格の値上がりを背景にFTSE350種鉱業株指数は
2.73%、貴金属株指数は1.87%いずれも上昇した。
英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは、8月に米国を襲ったハリケー
ン「アイダ」による被害が響き、第3・四半期の利益が4億ドル目減りすると警告したに
もかかわらず、1.2%上げた。
住宅建設株指数は0.98%高。英住宅金融ハリファクスが発表した
9月の英住宅価格が約15年ぶりの大きな上昇率となったことが材料視された。[nL4N2R3
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第3・四半期の業績が堅調だった車の販売代理店チェーンのペンドラゴンは
、6.9%上昇した。
不動産投資信託(REIT)のワークスペース・グループは4.9%上昇。
ロンドンにあるオフィススペースの利用者数が、9月末までに新型コロナウイルスのパン
デミック(世界的大流行)前の半分以上に達したと発表したことが好感された。
人材紹介会社ロバート・ウォルターズは、活況な労働市場の恩恵を受けて通
期の利益が当初の予想を上回る可能性があると発表したことから、2.5%上げた。
ロンドン株式市場:
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。原油やガスの価格が落ち着いたことで、
インフレ高進を懸念する投資家に安心感が広がった。良好な企業決算も市場心理を明るく
した。
STOXX欧州600種指数は週間でプラスに転じた。全業種が上昇したが
、STOXX欧州600種石油・ガス株指数が0.19%高で、最も小さかった
。
エネルギー価格の高騰によるインフレや金利上昇への懸念、中国恒大集団
の債務問題、金融引き締めリスクなどから、ここ数週間、株式市場のボラティリティが急
上昇していた。
しかし、米原油在庫が予想外に増加し、原油価格は2日連続で下がった。ロシアのプ
ーチン大統領がエネルギー不足の中、欧州へのガス供給を強化すると発言し、欧州のガス
先物価格も記録的な高値から下落した。
自動車・部品株指数は3.15%上昇。自動車メーカーが多いドイツのDA
X指数は1.85%上がった。
スイスの建設用化学品大手シーカは3.0%高。原材料費の上昇やサプライ
チェーンの制約を克服し、今年の売上高と利益率を伸ばせる可能性があると発表した。フ
ランスの建設資材大手サンゴバンは自社株買いを発表し、4.2%上昇した。
フランスの高級ブランド品メーカー、エルメスは、HSBCが「ホールド
」に格上げしたことで3.7%上昇。同業の高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ル
イ・ヴィトン)、ケリング<PRTP.PA、>スイスのリシュモンは2.1─
4.4%上昇した。
英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは1.2%高。ハリケーン「アイ
ダ」による被害で第3・四半期の利益に4億ドルの打撃があると発表したものの、値を戻
した。
欧州株式市場:
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが低下した。エネルギー価格が直近のピークから
下落したことでインフレ懸念が緩和された。
前日にはガスや原油の価格が高騰。一段のインフレ高進につながるとの懸念から国債
利回りが急上昇していた。
ただ、ロシアのプーチン大統領の発言や予想外の米原油在庫の増加を受け、ガスと原
油の価格は下落した。
ドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0
.19%。前日にはマイナス0.147%と6月末以来の高水準を付けていた。
イタリア10年債利回りは4.5bp低下の0.85%。ドイツ10年
債との利回り差は約104bp。前日は108bpだった。
ユーロ圏の期待インフレ率の目安となる5年先5年物インフレスワップ
は1.7633%に低下。1週間超ぶりの低水準となった。前日に付けた7年ぶりの高
水準からは約10bp低下した。
INGのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は、エネルギー価格の
下落が債券市場を安定化させたが、「最終的には、こうしたノイズを通じて金利は上昇し
ていくだろう」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)、イングランド銀行(英中央銀行)
、欧州中央銀行(ECB)がタカ派に転じたことによるリスクを強調した。
ECBが7日に公表した9月9日の理事会の議事要旨で、政策当局者は理事会後に公
表された声明や発言の内容よりもインフレに対する懸念が強く、資産買い入れ額について
もより大幅な縮小が協議されていたことが分かった。
キャピタル・エコノミクスの欧州シニアエコノミスト、ジャック・アレンレイノルズ
氏は「最近のインフレ率の強さがリスクバランスを上向きにシフトさせた」と述べた。
ECBのシュナーベル専務理事は7日、ユーロ圏の物価上昇圧力が時間とともに和ら
ぐ公算が大きいとしても、インフレが来年も高止まりする可能性があるという認識を示し
た。
また、ECBがパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を来年終了する際に市
場が混乱する事態を回避するため、新たな債券購入プログラムを検討しているとのブルー
ムバーグ・ニュースの報道も注目された。
報道によると、新たなプログラムはPEPPに取って代わるとともに、従来の資産購
入プログラム(APP)を補完する措置になるが、まだ決定は下されていないという。
INGのブーベ氏は「非常に重要な12月理事会の前にこのように報道されたのは偶
然ではない」と述べた。
ユーロ圏金融・債券市場:
<為替> 欧州終盤 アジア市場 コード
終盤
ユーロ/ドル 1.1560 1.1567
ドル/円 111.49 111.28 ユーロ/円 128.88 128.74 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 458.57 +7.24 +1.60 451.33
FTSEユーロファースト 1776.40 +29.12 +1.67 1747.28
300種
ユーロSTOXX50種 4098.34 +85.69 +2.14 4012.65
FTSE100種 7078.04 +82.17 +1.17 6995.87
クセトラDAX 15250.86 +277.53 +1.85 14973.33
CAC40種 6600.19 +107.07 +1.65 6493.12 <金現物> 午後 コード
値決め 1762.1 <GOLD/EU1
> <金利・債券>
米東部時間14時29分
*先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
3カ月物ユーロ 100.55 0.00 100.55
独連邦債2年物 112.24 +0.02 112.22
独連邦債5年物 135.00 +0.09 134.91
独連邦債10年物 169.71 +0.06 169.65
独連邦債30年物 202.34 -0.10 202.44
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債2年物 -0.708 -0.010 -0.691
独連邦債5年物 -0.567 -0.009 -0.549
独連邦債10年物 -0.187 -0.003 -0.182
独連邦債30年物 0.329 +0.004 0.300
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