[東京 22日 ロイター] -
<みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>
米連邦準備理事会(FRB)が景気を犠牲にしてでもインフレ抑制を最優先する姿勢を示した一方、日銀は賃金上昇を伴う持続的・安定的な2%物価目標の達成まで我慢強く緩和政策を実施するということで、両者のコントラストがより明確になった。
スイス国立銀行(中央銀行)が利上げに踏み切れば、マイナス金利を導入している主要中銀は日銀だけとなり、内外金利差の拡大というテーマ自体はさらに一段と強化されていくだろう。現時点で為替市場参加者が円買いの理由を見出すのはもはや「売られ過ぎたから」くらいしかない。
市場では政府・日銀が1ドル=145円近辺を警戒しているとの見方が多かったにもかかわらず、日銀は金融緩和を継続した。この円安水準でも日銀が動かなかったことを踏まえれば、黒田東彦氏が総裁でいるうちは、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)やマイナス金利などの政策を修正することは難しいという思いを強くした人は多いだろう。年内にドル/円は150円に到達することもあり得る。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」