February 6, 2018 / 2:06 AM / 17 days ago

為替こうみる:米インフレ警戒モードへの移行期、調整は長引かず=日本総研 牧田氏

[東京 6日 ロイター] -

<日本総研 調査部長 牧田健氏>

米国に対する市場の見方が変わってきた。これまでは賃金もインフレも上がらない、FRBは利上げを急がない、ということが前提となって投資が行われてきたが、賃金がここまで上昇してくると、インフレに警戒が必要だといった形に、投資家の視線が変わってきた。

米労働需給のひっ迫を踏まえると、インフレは今まで以上に警戒が必要になってきたことは間違いない。ただ、これまで言われていたインフレや賃金上昇を抑えるような要因、グローバル化やIT化がなくなったわけでもない。どんどんインフレが加速していくかというと、必ずしもそうではない。

そのため、米株を中心とする市場全般の調整は、一時的な「修正」だとみている。従来の低金利を前提とした投資から、ある程度の金利上昇を前提にした投資へ切り替えている最中ということだ。その際の水準感が見定められれば、市場は落ち着きを取り戻し、また上昇基調に戻るだろう。

米国のファンダメンタルズは決して崩れていない。これまでのインフレに対する見方が過度に楽観的だった。その水準訂正が起こっている。市場は年3回の利上げすら十分に織り込んでいなかったが、3回は確実、4回の可能性も出てきたというところだ。

株安を起点とする円高も、大きく進むことはない。米金利上昇はドル高要因にもなるため、水準訂正が起こっているだけだと考えれば、一時的に円高に振れる局面はあっても、加速する状況ではない。

ファンダメンタルズから見ても、日本の貿易収支は原油高で黒字が増えづらい状況。一方で、ある程度長期金利が上昇する際は、米債投資の好機でもある。ドルが今「壁」になっている108円台を一時超えて、105円台付近へ下落する局面はあるかもしれないが、さらに円高が加速して日本経済の基調が崩れるような状況にはならないと思っている。

安倍首相は前日の衆議院予算委員会で、金融緩和の継続を主張した。政権としては株高と金融緩和の構図を維持したい思惑があるのだろう。春闘を控えて企業は警戒的になり、3%の賃上げは少し遠のいたかもしれない。だが、日本のGDPギャップは需要超過の局面に入り、インフレ率も上がりやすい状況になっている。今回の件で過度に反応して金融緩和ということでもなかろう。年内に長期金利ターゲットを引き上げるという思惑が若干冷え込んだ程度ではないか。

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