May 7, 2019 / 1:24 AM / 18 days ago

為替こうみる:米中通商協議の本質を無視したい市場の限界=三井住友銀 宇野氏

[東京 7日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

トランプ米大統領は5日、中国との通商協議が進捗しないことへの不満から、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から25%に引き上げると表明した。残りの3250億ドル分ついては近々の実行を匂わせた。

これを受けて上海株は前週末比5.84%と大幅に下落したが、ダウは一時470ドル超安となるも、引けにかけては下げ幅を縮小し66ドル安で取引を終えた。

米国株の反応を見るにつけ、市場では楽観的な見方が根強く、8日からの米中協議で何からの進展があり、トランプ発言はいつもの「ブラフ」で本気ではないとの見方が多いようだ。

しかし、米国は米中協議の過去の教訓もあり、今回は本気だとみている。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は6日「ここ1週間ほどで中国側のコミットメントに後退がみられた」と述べ、そうした動きは合意文書の本質的な変更につながるため、米国は断固として受け入れない姿勢を示した。

米国は、2017年4月に合意された貿易不均衡是正に向けた『100日計画』で、金融や農業分野で速やかに市場開放を進めるとの約束を中国から取り付けたが、こうした合意は単なる覚書となり、中国サイドの履行を確保できなかった。2018年12月の90日猶予も然りである。

これまでの対中協議がうわべだけの成果しか得られなかった経緯から、今回米国が求めているのは、合意後に中国がそれを順守する枠組みだが、中国側は再び覚書で済まそうとの思惑があり、最終段階でかみ合わない状況になっているとみている。

株式市場に比べ、為替市場や債券市場は今回の協議ついてそれほど楽観していないようだ。ドルは前日5週間ぶり安値110.29円まで下落し、米10年国債利回りも前週末比5bp低下の2.47%で米国市場の取引を終えている。

外部環境としては、上海株の下げのインパクトは大きいとみている。

欧米市場を経過していったんは悲観が和らいだ状況だが、今朝の米政府要人発言もあり、楽観ムードをアジア株式市場が引き継ぎ、維持するのは難しいように思える。

そうなると、米中協議の影で気にも留めていなかった地政学的リスク、すなわち、トランプ大統領の北朝鮮宥和策の失敗にも目を向けることになりそうだ。

為替市場ではこうしたリスクを意識しつつ、円の強含みが続くとみている。

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