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米4月雇用統計、予想大きく下回る:識者はこうみる

[東京 10日 ロイター] - 米労働省が7日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。労働力不足が要因となった可能性がある。国内の市場関係者に見方を聞いた。

米労働省が5月7日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。フロリダ州マイアミでレストラン店頭に掲げられた求人のサイン。3月撮影(2021年 ロイター/Marco Bello)

●米景気回復期待崩れず、ドル下落は一巡か=三菱UFJMS 植野氏

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト 植野大作氏>

米労働省が7日に発表した4月の雇用統計では、市場予想を大幅に下回る結果が発表され、米長期金利の一時急落とともにドルも下落した。ただ、ドルは108円前半では踏みとどまり、根本的な米経済の回復期待が崩れたわけではないとみている。

季節調整前の雇用者数をみると、4月は108万9000人の増加となっている。ちょうど1年前にコロナ・ショックで雇用統計が悪化したので、今回は季節調整がうまくできていなかったと指摘する声もあるようだ。

他の米経済指標では良好な結果が確認されており、単月の雇用統計だけで米国の力強い景気回復期待が帳消しになったわけではない。なので、ドル/円も108円半ば付近が下値として意識され、ドルの下落は一巡したのではないか。

今後のドル/円の動きの鍵を握るのは、引き続き米長期金利の動向になるだろう。マーケットではリスクオンムードが広がり、対ユーロや対英ポンドではドルが売られ、クロス円では円安が進みやすくなっている。

●雇用統計受け安心感 日本株は上値に対して慎重=東洋証 大塚氏

<東洋証券 ストラテジスト 大塚竜太氏>

注目されていた4月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下振れたが、ここまで明らかになった経済指標が好調だったことを考えると、サプライズ感が生じる結果だった。これによって金利上場懸念が後退することになり、とくに大型ハイテク株の割高感が薄れるため、株式市場にとってポジティブな材料になり、市場に安心感をもたらすことになろう。実際に、発表を受けた米国株式市場はナスダックを中心に堅調に推移した。

日本株も同様に雇用統計の結果は好感されるとみられるが、週内は企業の決算発表が続くほか、依然としてコロナ禍に対して警戒感は残るため、上値を一気に追うイメージが描けない。全体として底堅いながらも上値に対して慎重となり、決算発表の結果をみながら、個別物色中心の動きになるのではないか。

●4月米雇用下振れでもシナリオに変化なし=JPモルガン証 山脇氏

<JPモルガン証券 債券調査部長 山脇 貴史氏>

4月米雇用統計の非農業部門雇用者数は市場予想を大きく下振れたが、市場関係者の見方を変えるまでには至っていない。失業保険受給中は労働市場への回帰に積極的ではない労働者が多い可能性があるなど、一時的な要因が考えられるためだ。賃金が上昇しているほか、広義の失業率(U6)は低下するなど、雇用環境の改善を感じさせる点も多かった。

発表直後、米10年債金利は急低下したが、ポジションが大きくショートに傾いていた反動が出たとみられる。一方、1.5%付近では相当量の戻り売りも出たようだ。当面は1.50─1.80%程度のレンジで推移する見通しだ。

米金利が落ち着いた動きを続けるならば、円金利への影響も限定的だろう。日本では緊急事態宣言が延長されたが、昨年のような大規模な財政出動の議論はまだ本格化していない。変異株を含む新型コロナウイルスの感染拡大など、今後の状況を見守る必要はあるものの、現時点では国債増発懸念が高まる段階ではないとみている。

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