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ドルが120円台に上昇、2016年2月以来:識者はこうみる

[東京 22日 ロイター] - 22日午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(119.47/48円)に比べてドル高/円安の120.31/33円で推移している。昨日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長によるタカ派的な発言を受けて米金利が上昇し、ドル高が一段と進んだ。ドルは一時120.46円付近まで上昇し、その後も120円台を維持。2016年2月2日以来の高値で取引された。

 22日の外為市場で、ドルは一時120.46円付近まで上昇し、その後も120円台を維持している。写真は都内で2013年4月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者の見方は以下の通り。

●米50bp利上げ期待高まる、目先のドルの高値123円台か

<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 後藤祐二朗氏>

昨日の米連邦準備理事会(FRB)議長の講演のインパクトが大きく、インフレ抑制のために行動を起こさなければならないということが示唆され、利上げペースの加速を想定せざるを得ない状況になった。講演の内容からも、必要であれば50ベーシスポイント(bp)の利上げにオープンな姿勢が確認された。

マーケットは、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)で毎回、25ベーシスポイント(bp)の利上げを行うのが基本路線だとみていたが、5月か6月頃のFOMCで50bpの利上げが行われるとの期待が高まった。それに伴い米金利が上昇し、ドル買い圧力が強まった。

目先のドル/円は4―6月期に向けて120円中心のレンジで推移すると予想する。ただ、今回120円を試した段階で相当、達成感が意識されるとみており、ドル高がどんどん進行するのは難しそうだ。

また、米利上げに関してもかなり織り込みが進んでいるため、ドルは122円―123円程度の高値を付ける可能性はあるが、125円台を試す方向には行きづらいとみている。

●ドル買い主導の円安、125円には届かずか

<シティグループ証券 チーフFXストラテジスト 高島 修氏>

前週18日の黒田東彦日銀総裁会見が円安容認と受け止められたこともあるようだが、基本的には海外勢主導のドル買いが強まっていることがドル/円上昇の背景だ。長期投資家などのドル買い需要や、米株下落リスクのヘッジ目的のドル買いが強まっており、対象として売られる通貨に円が選好されているとみている。これまではユーロも売りの対象だったが、ECB(欧州中央銀行)がタカ派方向に舵を切る中で、円が対象通貨として集中して売られる構図だ。

足もとの米10年国債金利とドル/円の相関をみると、1%の米金利上昇で10円の円安が進む関係となっている。米30年債などからみて、米10年債はあと0.3%程度上昇余地がある。ドル/円は22日に2016年2月以来となる120円を付けた。今後3カ月間で、あと3円程度は上昇する可能性があるが、125円には届かないとみている。

●日米金融政策の差が明確に、円売り材料重なる

<SMBC信託銀行 投資調査部 マーケットアナリスト 合澤史登氏>

もともと日米の金融政策の差は意識されていたが、先週末の黒田東彦日銀総裁の会見での発言と、昨日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、より日米の政策の差が意識され、円売りが進んでいる印象だ。特に、黒田総裁の会見では、円安に対するネガティブな発言が全く出てこなかったことが円売り要因としてクローズアップされている。資源価格の高騰などで日本の経常赤字定着が円売り材料として意識される中、さらに日米の中銀トップの発言でドル高/円安が加速した。

また、ウクライナ情勢の悪化で2月下旬からユーロ売りが進行したが、停戦交渉が継続する中、ユーロ売りは一服している。売られる通貨がユーロから円に切り替わったことも、ドル/円やクロス円の円安につながったのではないか。

ドル/円の次の高値は2016年1月に付けた121.68円が意識される。基本的にはドル/円は上方向を試す展開が続くとみているが、米国が金融引き締めを加速させる中で米景気の減速も懸念される。米国経済の先行き懸念が高まったり、日本政府や日銀が円安をけん制したりすれば、足元の円安基調が止まる可能性はある。ただ、上値がどこで抑えられるかは見通しが難しく、ボラティリティーの高い状況が続きそうだ。

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