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ロシアのSWIFT排除、株式・為替などへの影響:識者はこうみる

[東京 28日 ロイター] - 西側諸国は26日、ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。また岸田文雄首相は27日夜、同制裁に加わると表明した。

 西側諸国は26日、ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。25日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

市場関係者に見方を聞いた。

●日米ともにスタグフレーション・リスク意識した推移に

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア債券ストラテジスト 稲留克俊氏>

日米ともに、金利市場はスタグフレーションのリスクを意識しながらの推移となりそうだ。ロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したことは景気悪化につながり得るという点で金利低下、一方で資源価格上昇を通じてインフレも同時に起きる可能性があるとの点では金利上昇の要因となるが、その両方の可能性でみなくてはならない状況が一段と深まったと言える。

週初の現段階では景気下押しによる金利低下リスクの方を強く意識する展開となっているが、その動きが一方向に進むとのイメージは持っておらず、今後はインフレの話が浮上することもあるとみている。

米連邦準備理事会(FRB)高官は今のところこの問題が米金融政策に与える影響は大きくないとの見方のようで、週末に発言したウォラー理事も3月の50ベーシスポイント(bp)利上げの可能性を否定しておらず、市場では、米金融政策は大きく変わらず、50bpはともかく25bpの利上げを取り下げることはなさそうだ、というのがメインシナリオとなっている。

上述のように米金利には上昇・下落双方の材料があり、一方向の動きは予想していない。

日本国債利回りも基本的には同じ考え方で、はっきりした方向感は出ないだろう。加えて、日本の場合は長期金利が0.25%に近付くと日銀が指し値オペで止めるので、上昇方向については米国以上に余地がないとも言える。ただ、今のところ指し値オペが必要なほど金利が上がる可能性が大きいとはみていない。

●ロシアのSWIFT排除、欧米市場の反応見極め

<大和証券 シニアエコノミスト 末廣徹氏>

前週末の米国株式市場でダウ工業は800ドル超と大幅に上昇したものの、週明けの日本株はその流れに追随できていない。前週末の段階ではSWIFT(国際銀行間の送金・決済システムの運営主体)からのロシア排除は回避されたため警戒感はあまり強まらなかったが、その後、欧米や日本などがロシアの一部銀行をSWIFTから排除することで合意。きょうは週末に有事が起きた際のアジア市場の典型的な展開となっており、欧米市場の週明けの動きの見極めが必要とみる投資家が多いのだろう。

ロシアとウクライナの停戦交渉への期待もあるが、現時点ではまだ事態悪化回避の糸口を探る段階であり、依然として動きづらい。

一方、原油価格は高騰が続いており、いったん市場の目線がそこに移ってしまうと、輸入コストの上昇などが懸念され株価は一段と下がる余地がある。原油高が実体経済や企業業績に反映されるまでタイムラグがあるのは事実だが、価格高止まりの長期化は最大のリスクとみる。例えば、ロシアの同盟国が「延命治療」的な支援をするとなると事態がさらに長引く可能性があるため、注意が必要だ。

●SWIFT排除、インフレなど懸念 ドル/円は緩やかに上昇

<あおぞら銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト 諸我晃氏>

ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システム、SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したことは、マクロ経済に与える影響は大きい。ロシアは輸出ができにくくなり、欧州のエネルギー価格は上昇する。供給制約が強まり、インフレ高進と景気減速の要因となる。

各国の主要中銀は金融引き締めの進め方について考慮していかなければならなくなる。欧州はロシアからの供給に頼っている面が大きい。インフレ圧力が強まる一方、景気が減速する可能性があることから、欧州中央銀行(ECB)による金融政策のかじ取りは難しくなる。このため、ユーロの売り圧力が強まりやすい。

米連邦準備理事会(FRB)は、インフレが進む可能性があるものの大幅な利上げに踏み切るのではなく、25ベーシスポイント(bp)ずつの利上げを行い、インフレを抑制していくスタンスを継続していくとみている。

現時点では、米国の利上げパスについて市場のコンセンサス通りとなるほか、資源高で日本の貿易赤字が意識されやすいことから、ドル円は緩やかに上昇していく。ただ、株価が急落する場面では、リスクオフの円買いが進む可能性がある。

ロシアとウクライナが停戦に至れば先行きの不透明性が解消されるものの、対ロ制裁による経済への影響を見極めながらとなることから、ドル/円が一気に上抜けという形にはならないだろう。

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