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独、NATO会議でシリア安全地帯の国際関与提案 米・トルコ支持

[ブリュッセル 24日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)が24日にブリュッセルで開いた国防相会議で、ドイツのクランプカレンバウアー国防相はシリア北部の安全地帯管理を巡る新たな提案を行い、トルコのほか米国からも支持を得た。ドイツの案について、ストルテンベルグ事務総長は国連の関与が必要になる可能性を示した。

クランプカレンバウアー国防相は、難民を保護すると同時に過激派組織「イスラム国(IS)」掃討を継続するにはロシアの関与が必要になると指摘。ただトルコとシリアの国境地帯警備はロシアとトルコのみが担うべきものではないとし、「現状は満足の行く解決法ではない」と述べた。

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領は22日、ロシア軍とシリア軍がシリア北東部のクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」をトルコ国境から30キロシリア側に離れた地点まで退去させ、退去後の「安全地帯」をトルコとロシアが共同で警備することで合意。23日にはロシア憲兵隊がYPGの要衝の1つであるコバニに到着し、退去の監視を始めた。ロシア・トルコ両国は29日からトルコ国境10キロ以内の地帯で共同警備を開始する。

クランプカレンバウアー国防相は記者団に対し、「ロシアとトルコの合意で平和はもたらされておらず、長期的な政治的解決の土台を築くものでもない。国際社会の関与を伴う解決法を模索している」と述べた。

ドイツは中東地域での軍事活動に慎重で、こうした提案を行うのはまれ。ドイツ案の詳細については明らかになっていないものの、NATOのストルテンベルグ事務総長は支持を表明。シリア北部でNATOが何らかの活動を行う理由はないとしながらも、「国連プロセス」が必要になる可能性があると述べ、将来的な討議が必要になるとの考えを示した。

クランプカレンバウアー国防相はトルコのアカル国防相と一対一で会談を実施。NATO外交官はドイツの提案について「一段の討議が必要」としながらも、「トルコ国防相はオープンな姿勢を示した」と述べた。

別の外交官は、12月4日にロンドンで開かれるNATO首脳会議で、ドイツのメルケル首相が英仏首脳とこの件について討議する可能性があるとの見方を示した。

米国のエスパー国防長官はNATO国防相会合の前に、ドイツの提案の詳細についてはまだ把握していないとしながらも、「この地域の安全を改善したいと願う国にとって良いものだと考えている。米国はこれまでも長らく、欧州のパートナー国に対しこうしたことを呼び掛けていた」とし、好意的な見方を示していた。ただ米国は地上軍は投入しない姿勢を示している。

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