[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米金融・債券市場では、
米債利回りが狭いレンジ内で低下した。今週に入り2年債と5年債の利
回りが2年ぶりの高水準を付けていたが、その反動が出た。ただ、3月
の米利上げを視野に利回り上昇トレンドは維持されているようだ。
13日には前日の10年債入札に続き30年債入札が行われ、堅調
な結果となった。これを受け米債買いが強まり利回りが低下した。
この日に発表された2021年12月の卸売物価指数(PPI)と
新規失業保険申請件数の米債市場への影響は限定的だった。米連邦準備
理事会(FRB)が2カ月以内に金融政策を引き締めるとの見方がなお
根強い。
FRBのブレイナード理事は13日、上院銀行委員会で開かれた副
議長昇格に関する公聴会で証言を行い、3月に想定される量的緩和の縮
小(テーパリング)終了「次第」、FRBは年内に複数回の利上げを開
始できると述べた。
FHNフィナンシャルのシニア金利ストラテジスト、ジム・ボーゲ
ル氏は「今後4カ月のインフレ率の見かけ上の鈍化を信用することはで
きない。データにはまだノイズが多く、一服感や在庫面・供給面での圧
力緩和は確認できない」と述べた。
米労働省が13日に発表した2021年12月の卸売物価指数(P
PI、最終需要向け財・サービス)は、前月比0.2%上昇と11月の
1.0%上昇から鈍化し、20年11月以来13カ月ぶりの小幅な伸び
となった。サプライチェーン(供給網)の問題が緩和し始める中、20
年4月以降で初めて財(モノ)の価格が下落した。
また、米労働省が13日に発表した1月8日までの1週間の新規失
業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万3000件増の23万件
となった。新型コロナウイルスのオミクロン変異株が流行する中、市場
の減少予想(20万件)に反し増加したものの、労働市場がタイトな状
況であることを示す水準にとどまっている。
今後数年間の米短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF
)金利先物市場は、年内に少なくとも3回の利上げが実施され
ることが示唆している。
午後序盤の取引で、指標10年債利回りは1ベーシス
ポイント(bp)低下の1.7164%。入札後の30年債利回り
も1bp低下し2.0578%となった。
2年債と5年債の利回りもそれぞれ0.9010%、1.4860
%と横ばいから小幅低下で推移した。
米東部時間 価格 利回り コード
30年債(指標 15時43分 96*11.50 2.0384% <US30YT=RR
銘柄) >
前営業日終 95*20.00 2.0720%
値
10年債(指標銘 15時43分 97*03.00 1.6970% <US10YT=RR
柄) >
前営業日終 96*27.00 1.7250%
値
5年債(指標銘 15時43分 98*31.00 1.4662%
柄)
前営業日終 98*27.00 1.4920%
値
2年債(指標銘 15時43分 99*23.25 0.8909%
柄)
前営業日終 99*22.25 0.9070%
値
清算値 前日終値 コード
Tボンド先物3月 156*17.00 156*01.00
限
Tノート先物3月 128*23.00 128*18.50
限
<ドル・スワップ・スプレッド>
DOLLAR SWAP SPREADS
Last (bps) Net Change (bps)
U.S. 2-year dollar swap spread 19.75 1.00
U.S. 3-year dollar swap spread 15.50 1.25
U.S. 5-year dollar swap spread 8.00 0.25
U.S. 10-year dollar swap spread 5.75 0.25
U.S. 30-year dollar swap spread -17.50 0.00
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