[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米金融・債券市場で
は、銀行システムの流動性不足に対する投資家の懸念が払拭されない中
、国債に買いが入り、利回りが大きく低下した。
金利見通しを敏感に反映しやすい2年債利回りの週初か
らの下げ幅は70ベーシスポイント(bp)を超え、週間ベースの低下
しては1987年10月以降で最大となる見通し。5年債利回り
の下げは2001年9月以来の大きさとなる見込み。
欧米で銀行部門に対する懸念が広がる中、スイスの金融大手クレデ
ィ・スイスは16日、スイス国立銀行(中央銀行)から最大5
00億スイスフラン(540億ドル)を借り入れる選択肢を行使すると
表明。米国では大手銀行11行が同日、株価急落に見舞われた中堅銀行
ファースト・リパブリック・バンクの資金繰りを支えるため、
合計300億ドルの預金を預け入れると発表した。[nL4N3
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ただ、こうした措置を受けても市場心理は十分に回復していない。
レイモンド・ジェームズ(テネシー州メンフィス)の債券資本市場
担当マネジングディレクター、エリス・ファイファー氏は「半危機的な
状況に置かれたまま週末に入ることで、リスク回避の動きが広がり、米
国債などの安全資産に資金が流れた」と指摘。「今回の銀行システムの
最大の問題は信頼に基づくものであることだ。信頼が失われれば、銀行
は破綻する。システミックな問題に発展しないよう、各国政府は信用の
補強に努めている」と述べた。
前日の取引で債券市場のボラティリティを示す指数は一時
198.71と、08年12月以来の水準に上昇。この日は167.9
6に戻した。
終盤の取引で10年債利回りは16.8bp低下の3
.416%。週初からは28bp低下し、週間ベースの低下としては昨
年11月以来の大きさとなった。
30年債利回りは10.5bp低下の3.609%。
2年債利回りは25bp低下の3.872%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス48.2b
p。今週は連邦準備理事会(FRB)の積極利上げ観測が後退したこと
で、同利回り格差は一時マイナス28.6bpと、昨年10月以来の水
準に縮小した。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物は現在、来週の連邦公開市
場委員会(FOMC)で決定される利上げの幅は0.25%ポイントに
とどまるとの観測を織り込む水準にある。
米東部時間 価格 利回り コード
30年債(指標銘柄 17時05分 99*30.50 3.6274%
)
前営業日終値 98*12.50 3.7140%
10年債(指標銘柄 17時05分 100*16.50 3.4379%
)
前営業日終値 99*10.00 3.5830%
5年債(指標銘柄) 17時05分 102*07.00 3.5070%
前営業日終値 101*05.75 3.7370%
2年債(指標銘柄) 17時05分 101*14.25 3.8458%
前営業日終値 100*29.38 4.1300% 清算値 前日終値 コード
Tボンド先物3月限 131*09.00 129*05.00
Tノート先物3月限 115*04.00 113*21.00
<ドル・スワップ・スプレッド>
DOLLAR SWAP SPREADS
Last (bps) Net Change (bps)
U.S. 2-year dollar swap spread 26.75 0.50
U.S. 3-year dollar swap spread 14.50 0.25
U.S. 5-year dollar swap spread 11.50 1.25
U.S. 10-year dollar swap spread 3.75 0.50
U.S. 30-year dollar swap spread -43.25 0.00
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